JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
『2022年度 第46回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』準決勝マッチレポート
2022/09/03


 『2022年度 第46回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』で残る試合は準決勝と決勝のみ。8月28日に行われた準決勝は、奇しくも2試合とも関東代表対関西の“東西対決”。宮城県内で実施される最後の試合で、ベスト4に残った4大学は、決勝戦が行われる味の素フィールド西が丘行きを懸けて戦った。




国士舘大学 4(1-0)0 びわこ成蹊スポーツ大学



 初の決勝進出を目指すびわこ成蹊スポーツ大学だったが、関東王者・国士舘大学との差は明らかだった。キックオフから20分過ぎまでは、ほぼ国士大のワンサイドゲームに。国士大はボランチの15番・綱島悠斗を中心に、中盤を圧倒。ほとんどのボールを奪取し、びわこ大は相手陣地にボールを運ぶことすらできない時間帯が続いた。だが、国士大も攻め込みながらもなかなか決めきれない。それでも24分、国士大はコーナーキックのチャンスを得ると、14番・大西悠介のキックに3番・望月海輝がドンピシャのヘディングで合わせて先制点を挙げる。1点を追うびわこ大は、7番・工藤真人、8番・佐々木啓太、13番・飯尾柊太らがボールを奪って攻撃を仕掛けるが、決定的な局面にまでは持ち込めずに前半は終了。1-0の国士大リードで試合を折り返した。

 後半、立ち上がりは攻勢に出たびわこ大だったが、次第に主導権は国士大へ。すると国士大は60分にコーナーキックを獲得。先制点と同じような形で、今度は22番・山田裕翔が2試合連続となるヘディングシュートを叩き込んで追加点を挙げる。さらにその2分後の62分、びわこ大はGK1番・原田圭吾がボールの処理ミス。これを見逃さなかった10番・棚橋尭士、11番・古川真人がこぼれたボールを追い、最後は11番・古橋が右足を振り抜いて3点目をマーク。リードを広げ、びわこ大を突き放した。その後はびわこ大も中盤、前線の選手を入れ替えて攻撃を仕掛けるが、国士大の安定した守備を崩すまではいたらない。逆に国士大は途中出場の27番・東川続が、出場直後に左サイドでの競り合いに勝ちペナルティーエリアに侵入。これを止めようとしたびわこ大のプレーがファウルとなり、国士大がペナルティーキックを獲得する。キッカーの15番・綱島が90+1分、これを冷静に沈めてダメ押しの4点目。ほどなくしてタイムアップの笛が鳴り、国士大が19大会ぶり5回目となる決勝進出を果たした。






大阪学院大学 1(4PK3)1 駒澤大学


 3回戦で優勝候補筆頭の明治大学を下し、初の決勝進出を目指す大阪学院大学と昨年度インカレ王者・駒澤大学の戦いは、両チーム拮抗した競り合いのままスコアレスで前半が終了した。

 スコアが動いたのは後半序盤の54分。最初にチャンスを掴んだのは大院大だった。スローインから9番・関俊哉、8番・澤崎凌大、12番・閑田隼人とボールをつないでペナルティーエリアに侵入。8番・澤崎が放ったシュートはGKに弾かれるものの、こぼれ球を9番・関が頭で押し込んで大院大が先制する。だが、その2分後の56分に駒大も反撃。19番・松本ケンチザンガが落としたボールを11番・ウォーモハメッドが右足で合わせる。最後は14番・髙橋優斗がシュートの軌道を変える形でゴールに流し込み、駒大がすぐ様同点に追いついた。しかし、その後は両チーム決定機を決めきれず、1-1のまま後半は終了。延長戦へと突入した。

 両チーム、交代選手を投入しながら臨んだ延長戦だったが、ともにゴールを決めることなく20分が経過。1-1のまま、勝敗はペナルティーキック戦に委ねられた。ペナルティーキック戦では、大院大2人目のキッカー、26番・四宮悠成のシュートがバーの上へ。駒大優位かと思われたが、大院大GK、21番・梅田陸空がここから奮闘を見せる。続く駒大のキッカー、9番・本吉利安、6番・篤快青のシュートを連続でストップ。大院大は残り3人のキッカーがきっちりと決め、2試合連続でペナルティーキック戦を制した大院大が、悲願の決勝戦初進出を決めた。




 9月4日(日)、味の素フィールド西が丘で行われる決勝戦は、関東王者の国士舘大学とこれが決勝初出場となる大阪学院大学が対戦することとなった。総理大臣杯の決勝戦が“東西対決”となるのは、2018年以来3大会ぶり。大院大はその大会の準決勝で明治大学に敗れ、決勝進出を断たれている。一方の国士大は19大会ぶりの決勝進出ながら、約1ヶ月前には関東地区予選を勝ち抜いた味の素フィールド西が丘が会場と、“ホーム”に近い状況で試合に臨む。

 国士大が勝てば1999年以来22大会ぶり、大院大が勝てば初優勝。圧倒的な攻撃力の国士大か、粘り強くチャンスを窺う試合巧者の大院大か。総理大臣杯も残り1試合。ついに大学夏の王者がこの一戦で決定する。