全国9地域・24大学が参加する大学サッカーの冬の全国大会、『MCCスポーツpresents 2022年度 第71回 全⽇本⼤学サッカー選⼿権⼤会』が12月8日に開幕した。1回戦ではシード校である関東6チーム、関西2チームを除く各地域代表の16チームが激突。冬の『大学日本一』を目指して熱戦を繰り広げた。
※マッチレポートは随時追加いたします。
[1]九州産業大 1(1-1)4 仙台大 @三ツ沢公園陸上競技場
本大会は4大会ぶりの出場となる九州産業大学(九州地区第3代表)と、21大会連続出場、夏の総理大臣杯では関東の強豪・法大を下す躍進を見せた仙台大学(東北地区第1代表)の一戦。
試合は、序盤から双方チャンスを作り合うアグレッシブな展開となった。まずは7分、中盤でのボール奪取に成功した九産大の4番・下上昇大から10番・駒木秀人を経由し、13番・小浜耀人にボールが渡る。13番・小浜がダイレクトで放ったシュートは、鮮やかな軌道を描いてゴールネットを揺らし、九産大が先制点を決める。対する仙台大は14分、16番・横溝広太が13番・得能草生のパスを受けたて左サイドから鋭いクロスを上げる。このボールに9番・佐々木翔がワンタッチで合わせ、すぐさま同点に追いつく。早い時間帯にスコアが動いたものの、その後は互いに粘り強い守備を見せて得点を許さない。結局、両チーム追加点は挙げられず1-1で前半を終えた。
拮抗していた前半とは一転、後半に入ると仙台大が一気に試合を支配する。仙台大は後半開始早々の46分、10番・冨久田和真のクロスに9番・佐々木が頭で合わせ、九産大ゴールを脅かす。攻勢を強める仙台大は55分、4番・玉城大志、27番・本田真斗、30番・波田祥太の3選手を同時投入。すると64分、仙台大は右サイドでボールを受けた2番・宮嶋俊弥のクロスを30番・波田がダイレクトで蹴りこんで逆転に成功する。一方の九産大は、22番・軸丸大翔、8番・横畑匠海らを投入して得点を狙うが、なかなかチャンスを作り出すことができない。試合を決定づけるゴールが生まれたのは86分。中盤でボール奪取に成功した仙台大の10番・冨久田は、自らゴール前までボールを運ぶと、そのまま左足を振り抜いてゴールネットを揺らす。さらに2分後の88分、27番・本田が13番・得能のロングパスに反応。ドリブルから左足一閃。4点目を決め手勝負あり。
4得点を挙げ、1-4と大勝を収めた仙台大が2回戦に駒を進めた。次戦で待つのは関東地区第1代表、関東リーグ王者の明治大学。夏の大会に続く、仙台大の“関東喰い”はなるか。
[2]阪南大 1(1ex0)0 広島大 @AGFフィールド
前回大会は準優勝。今大会では優勝を目指す阪南大学(関西地区第3代表)と、24大会ぶりのインカレの舞台に立つ広島大学(中国地区第2代表)の一戦。
試合は立ち上がりから阪南大が主導権を握る展開となった阪南大は開始早々の5分、相手のゴールキックを2番・髙田椋汰がヘディングで弾き返すと、これに10番・松原大芽が反応。ドリブルで持ち運ぶとそのままクロスを上げる。13番・康起甫がこのクロスに飛び込むが、広大GK1番・井上大也が距離を詰めてファインセーブ。阪南大はさらに32分、敵陣深くに侵入した2番・髙田が切り返して12番・濱屋悠哉にパス。12番・濱屋はダイレクトでシュートを放つが、これはクロスバー直撃。阪南大がゲームを支配しながらも、ゴールを決め切ることができない。一方の広大は前半のシュート数0とチャンスを作れないまま、両チーム無得点で前半を終了する。
後半も前半同様、阪南大がボールを握る展開となった。積極的に広大ゴールに迫る阪南大は56分、2番・髙田のロングボールを13番・康が肩のトラップで落として11番・原耕太郎へ。11番・原はドリブルでペナルティーエリア手前まで運ぶと、そのまま左足でミドルシュートを放つ。しかしこれは広大GK1番・井上がキャッチ。対する広大63分、阪南大のビルドアップのミスから11番・酢谷元哉がボールを奪い、ペナルティーエリアに侵入。相手をひとりかわすと、キーパーと一対一に。しかし阪南大GK1番・村田要が身を挺してセーブし、得点ならず。両チーム一歩も譲らず、0-0のまま後半も終了。試合は延長戦に突入した。
両チーム疲れも見えてきた中、延長戦の前半終了間際にようやく試合が動いた。105+1分、阪南大は2番・髙田のロングスローに13番・康がヘディングで合わせる。相手DFとの競り合いの中でこぼれたボールを、途中出場の26番・寺岡聖斗がダイレクトでボレーシュート。浮き球のシュートがゴール右隅に吸い込まれ、ついに阪南大が先制。1-0で延長戦の前半を終えた。
延長戦の後半は広大が積極的に阪南大ゴールを目指すが、どうしても阪南大の堅い守備を崩すことができない。結局広大はゴールネットを揺らすことなく1-0で試合終了。先制点を守りきった阪南大が初戦に勝利した。
広大は堅い守備で粘り強く戦い、阪南大を苦しめたがゴールは遠く初戦敗退となった。勝利した阪南大は前回大会のリベンジに向け、まずは1勝。元日国立決勝に向けての第一歩を進めた。
[3]福岡大 2(5PK6)2 中京大 @第一カッターフィールド
リーグ戦では無敗優勝を果たし、5大会連続45回目の出場となる福岡大学(九州地区第1代表)と、こちらも3大会連続42回目の出場となる中京大学(東海地区第3代表)。地域の雄同士の一戦。
立ち上がりから積極的なプレーを見せたのは中京大。13分、13番・桒田大誠のロングフィードから19番・永田貫太が相手DFの裏へと飛び出し、冷静にGKをかわすとゴールへと流し込む。先制した中京大が試合の主導権を握るとかと思われたが、3分後の16分、今度は福岡大にチャンスが訪れる。12番・橋本悠が右サイドを突破してクロスを上げると、これを15番・中山桂吾がつなぎ、最後は6番・重見柾斗が左足を振り抜いて同点に追いつく。両チーム1点ずつを決め、1-1で前半を終えた。
後半に入り攻勢を強めたのは福岡大だった。54分、福岡大は12番・橋本が前線へロングボールを入れると、相手DFのクリアミスを見逃さなかった8番・永田一真が裏へと抜け出す。1タッチでボールを収めると、そのまま冷静にゴールへと流し込み、福岡大が逆転に成功する。対する中京大は60分、右サイドから32番・屋嘉比奏汰がパスを送る。これは一度相手DFに阻まれるものの、7番・藤井皓也が奪い返し、豪快なシュートを放つ。これが決まり、再びスコアは振り出しに戻った。この後は両チーム決定機を作ることができず、試合は延長戦に突入。
延長戦に入ると、中京大は途中出場の33番・光本和馬、21番・岡本晟也らが躍動。福岡大ゴールへと迫るが、福岡大の粘り強い守備の前にどうしても決めきれない。スコアは2-2のまま、勝負の行方はPK戦に委ねられた。PK戦では中京大の3人目のキッカーが失敗すれば、福岡大の4人目が決められず、5人目までに勝敗が決まらない。PK戦もサドンデス方式へともつれこみ、6人目は両チームとも失敗。7人目はともに成功し、キッカーは8人目に。先攻の福岡大13番・内田裕也が放ったキックはポストに弾かれて失敗。続いて中京大の32番・屋嘉比は左隅にしっかりと決め試合終了。中京大がPK戦を制し、2回戦進出を果たした。
[4]新潟医療福祉大 3(1-1)1 八戸学院大 @ブリオベッカ浦安競技場
今季の総理大臣杯で全国大会で初となるベスト8の成績を残し、次なる目標・ベスト4を目指す新潟医療福祉大学(北信越地区第1代表)と、15大会ぶりに出場するインカレでの勝利を狙う八戸学大学(東北地区第2代表)の一戦。
前半は、サイドを起点に攻撃する新医大と、カウンターでチャンスを狙う八学大との間で拮抗した展開となった。ようやく試合が動いたのは32分。ハーフウェーライン後方でボールを持った新医大の10番・小森飛絢が左サイドに展開。24番・坂岸寛大がドリブルで相手陣内に侵入しクロスを上げると、ゴール前の9番・田中翔太が頭で合わせて新医大が先制点を挙げる。このまま新医大リードで折り返すと思われたが、前半のアディショナルタイムに、新医大のペナルティーエリア内での接触がファールと判定。八学大がペナルティーキックを獲得する。これを八学大の11番・堀田悠斗がゴール左下へ冷静に決め、1-1で前半が終了する。
同点に追いついた勢いにのりたい八学大は、ハーフタイムにDF2番・北上龍哉に代えて、MF28番・阿部翔輝を投入。追加点を狙うが、後半は新医大に押し込まれて自陣でボールを回される展開となった。新医大は60分、コーナーキックのこぼれ球を27番・松本天夢が左足でシュート。これがGK前にいた24番・坂岸の伸ばした左足に当たり、新医大が追加点を獲得。追いつきたい八学大は、次々と交代カードを切って流れを変えようとするが、うまく流れを手繰り寄せることができない。逆に83分には、新医大の11番・オナイウ情滋のロングスローを処理しようとした八学大DFのクリアがネットを揺らし、オウンゴールの形で痛恨の失点。新医大に決定的な追加点を与える形となり、そのまま1-3でタイムアップ。
北信越で圧倒的な力を誇示する新医大が2回戦に進出。次戦は関西の雄・びわこ成蹊スポーツ大学と対戦する。
[5]北陸大 2(1-1)3 高松大 @流通経済大学龍ケ崎フィールド
全国大会で結果を残したい北陸大学(北信越地区第2代表)と、過去2大会を上回る結果で2回戦に駒を進めたい高松大学(四国地区代表)の一戦。
最終ラインから一気に前線へとボールを集める北陸大に対し、高松大はサイドを起点に攻撃を組み立てる。先に試合を動かしたのは高松大だった。7分、右サイドの3番・八十嶋一斗のクロスを相手DFがクリア。だが、このクリアに7番・三好憂が反応。ペナルティーエリアの外から冷静に流し込み、早い時間帯に高松大が先制点を挙げる。北陸大もその直後の8分、最終ラインからのロングフィードでビッグチャンスを迎えるが、高松大のGK、1番・栗原拓也がファインセーブ。両チーム積極的に攻撃を仕掛け、23分には高松大の10番・川西竜司がペナルティーエリア右からクロスを上げ、それに7番・三好が頭で合わせる。しかしこれはGKの正面でゴールならず。すると直後の24分、今度は北陸大がコーナーキックを獲得。5番・村田迅が蹴り入れたボールに、4番・中村純哉が頭で合わせて同点に追いつく。北陸大は31分にもペナルティーエリア内で選手が倒されるが、ノーファウルの判定でペナルティーキック獲得とはならず。その後も互いにゴール前まで迫るが、ゴールを割ることはなく1-1で前半を終えた。
シーソーゲームの様を呈してきたこの試合、後半に入って先にチャンスを作ったのは高松大だった。自陣で相手のボールをカットすると、14番・小松仁から9番・矢野佑介へと繋ぐ。ボールを受けた9番・矢野は、ひとりでペナルティーエリア付近まで持ち運ぶと、ヒールパスで11番・香川拓郎へ。11番・香川が7番・三好に繋ぎ、ダイレクトシュートを放つが、これは枠を捉えることができない。互いに決定機を決めきれない中で迎えた65分、高松大はゴール前でのこぼれ球に、またしても7番・三好が合わせる。これが決まり高松大が1-2とし、再びリードを奪う。同点に追いつくため交代カードを切る北陸大だったが、次にスコアを動かしたのはまたもや高松大。80分にフリーキックを獲得すると、10番・川西のボールがオウンゴールを誘発して1-3に。しかし北陸大も直後の81分、9番・申峻雨がドリブルでペナルティーエリア内に侵入。グラウンダークロスを上げると、20番・今野祥吾がダイレクトで合わせ1点差に縮める。北陸大はその後も同点に追いつくべく猛攻を仕掛けるが、ゴールは遠く2-3で試合終了。
シーソーゲームを制した高松大が、悲願のインカレ初勝利を挙げ2回戦進出を決めた。
[6]北海道教育大岩見沢校 2(1-0)1 IPU・環太平洋大
@流通経済大学龍ケ崎フィールド
北海道リーグを圧倒した勢いそのままに、1回戦突破を狙う北海道教育大学岩見沢校(北海道地区代表)と、全国大会で結果を残したいIPU・環太平洋大学(中国地区第1代表)の一戦。
5枚のブロックを敷き、堅い守りから攻撃へと向かう岩教大に対し、環太大は最終ラインでボールを回しながら、11番・松久保拓斗を起点に攻撃を形成する。最初のチャンスは環太大。3分、こぼれ球を拾った10番・寺尾海星が3人を抜き去りシュートを放つが、これはゴール左に外れる。10分には、岩教大の18番・藤原進士郎が7番・縄田脩平からパスをダイレクトで合わせるが、環太大GK、1番・阪本龍のビッグセーブに阻まれてゴールならず。試合開始直後から積極的にゴール前に攻め込む両チームだったが、先にスコアを動かしたのは岩教大。12番・小原冠嗣の右からのクロスに16番・兼田寛也がヘディングで合わせる。このシュートはクロスバーに当たったが、跳ね返ったところに再び16番・兼田が頭で詰め岩教大が先制する。追いつきたい環太大も攻勢を強めるが、なかなかゴールを割ることができない。43分には、再び10番・寺尾がドリブルでペナルティーエリアに侵入してシュートを放つが、岩教大GK、1番・鴨川寛也の好セーブで得点とはならず。岩教大の1点リードで試合を折り返した。
1点を追う環太大は、攻撃に変化を加えるべく16番・築田匡に替えて後半頭から13番・橋本空新を投入。すると、環太大は64分に直接フリーキックを獲得する。11番・松久保のボールに7番・水口飛呂が合わせようとしたところ、岩教大GK、1番・阪本と衝突。これがファウルと判断され、環太大がペナルティーキックを獲得する。キッカーは個人技から幾度となくチャンスを演出した10番・寺尾。冷静に左下にキックを沈め、66分に環太大が同点に追いつく。勢いに乗る環太大は77分、右コーナーキックから8番・辻岡佑真が合わせるが、これはクロスバーを直撃。一方、反撃に出たい岩教大は80分、7番・縄田のクロスをライン際で折り返し、16番・兼田がダイレクトで合わせてゴールネットを揺らすものの、副審のフラッグが上がり得点は認めらない。このまま延長戦に突入するかと思われたが、89分に岩教大の26番・石山風吹がドリブルで持ち上がり、左サイドからクロスを入れる。このボールは環太大GK、1番・阪本が弾くものの、7番・縄田が頭で押し込み追加点。岩教大が終了間際に試合を決定づける2点目を挙げる。環太大もアディショナルタイムに1点を返そうと試みるが、反撃は及ばず2-1で岩教大が勝利を収めた。
[7]鹿屋体育大 1(0-3)3 静岡産業大 @第一カッターフィールド
13大会連続25回目の出場、九州の強豪・鹿屋体育大学(九州地区第2代表)と、これが14回目の出場、3大会ぶりにインカレの舞台に戻ってきた静岡産業大学(東海地区第1代表)の一戦。
試合は開始早々からスコアが動いた。6分、静産大は9番・服部功汰が前線へラフにロングボールを入れると、11番・内山田太輝がこれにしっかりと反応。上手く相手DFと入れ替わってボールをキープするとそのまま独走し、最後は冷静にゴールへと流し込んで静産大が先制する。静産大はさらに15分、中盤で9番・服部がボールを奪い、自らドリブルで持ち込んでゴールネットを揺らす。静産大が早い時間帯に0-2と鹿体大を突き放した。失点を重ね、立て直しを図りたい鹿体大だったが、前半終了間際のまたしても失点。44分、静産大はコーナーキックを獲得すると、10番・平林将弥の正確なキックから18番・加藤政哉が頭で合わせて3点目。静産大がリードを3点に広げて試合を折り返した。
攻めるしかなくなった鹿体大は4番・片桐羽馬人、15番・渡邉怜歩を後半の頭から投入。巻き返しを図ると61分、16番・加藤大晟の積極的な仕掛けから、こぼれたボールに22番・德田晃也が反応。丁寧なラストパスから24番・片山颯人がゴールへと突き刺し1点を返す。その後も攻勢を強める鹿体大だったが、静産大の堅い守備を崩すことができず試合は1-3で終了。
後半は守備に回る時間が多くなった静産大だったが、打たれたシュートは失点の1本のみ。序盤の連続ゴールでしたたかに試合を運んだ静産大が2回戦へと駒を進めた。
[8]関西大 4(2PK4)4 常葉大 @三ツ沢公園陸上競技場
3大会ぶりにインカレ出場を決めた関西大学(関西地区第4代表)と、2大会ぶり出場の常葉大学(東海地区第2代表)。どちらも久しぶりとなるインカレの舞台での対戦。
立ち上がりは常葉大のペース。前線からのプレッシャーがはまり、相手陣内へと押し込む展開が続いた。しかし、関西大も徐々に中盤の主導権を握り始め、11分、敵陣でボールを奪うと細かくパスを回し、8番・深澤佑太へとつなぐ。すると8番・深澤のクロス性のキックが、そのままゴールへと吸い込まれる。早い時間帯に関西大が先制するが、常葉大も反撃に出る。17分、常葉大は自陣内でボールを奪うと8番・高野裕維が持ち上がり、19番・高瀬生聖にラストパス。これをカットインから左足でシュートを決め、常葉大が同点に追いつく。しかし、失点後も主導権を握り続けた関西大は30分、8番・深澤のシュートのこぼれ球を6番・松尾勇佑がペナルティーエリア外からダイレクトシュート。これがゴールに突き刺さり、関西大が勝ち越しに成功する。だがセットプレーからチャンスを見出す常葉大は35分、10番・古長谷千博の右コーナーキックのこぼれ球に、8番・高野が右足を振りぬき、またしても同点に追いつく。点の取り合いの様相を呈し始めた試合は、2-2の同点で前半を終える。
後半、先にスコアを動かしたのは常葉大だった。55分、左サイドで直接フリーキックのチャンスを得ると、ファーサイドで折り返したボールを31番・金賢祐が押し込み、ついに逆転。追う立場となった関西大は選手交代で流れを変える。74分、関西大は12番・堤奏一郎がペナルティーエリア内で左足を振りぬくも、これは相手GKがキャッチ。関西大はさらに77分、9番・西村真祈がゴール前で粘り、こぼれ球に17番・百田真登が反応してゴールネットを揺らすも、これはオフサイドの判定で得点とはならない。それでも攻め続けた関西大は90+6分、12番・堤のクロスに3番・夘田康稀がヘディングで合わせ、ゴールネットを揺らす。3番・夘田、12番・堤とともに後半から出場。選手交代の采配が見事的中した関西大が土壇場で追いつき、試合は延長戦に突入する。
関西大は同点に追いついた勢いのまま、延長戦に臨む。立ち上がりの94分、関西大はロングボールから一瞬の隙を突いた9番・西村真祈がシュート。一度はGKに止められたものの、こぼれ球を拾うと左足を振り抜き、今度は関西大が逆転する。試合に決着をつけるべく関西大は追加点を狙うが、常葉大も体を張った守備で関西大に追加点を許さない。すると延長後半の114分、ペナルティーエリア内のこぼれ球に常葉大の16番・清水和馬が反応。これを関西大DFがたまらずファウルで止めようとし、常葉大がペナルティーキックを獲得する。このチャンスに16番・清水が自ら決め切り、常葉大がまたもや同点に追いついた。激しいゴールの奪い合いとなった試合は4-4で終了。PK戦へともつれ込んだ。
PK戦では互いに2人ずつ決めた後、3人目のキックを両チームともGKがストップ。そして後攻・関西大4人目の3番・夘田のシュートが枠外に外れる。先攻・常葉大は5人目の8番・高野がしっかりと決め切り、PK戦は2-4で終了。
関西大は、3度のリードを守り切れず1回戦で敗退。しかしアディショナルタイムで同点に追いつくなど、粘り強さも見せた。一方、常葉大は激闘を制し、法政大学と対戦する2回戦に進出。主導権を握っている時間帯は少なかったが、少ないチャンスを生かし、したたかに戦い切った。