大学サッカー夏の全国大会、『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』が9月1日に開幕した。東北地域開催2年目を迎える今大会は、宮城県と岩手県の2地域に分かれて各地域の代表が激突した。
日本文理大学 0(0-1)2 静岡産業大学 @七ヶ浜サッカースタジアム
九州地区第3代表の日本文理大学と、東海地区第2代表・静岡産業大学の対戦。試合は早い時間帯に動いた。15分、静産大は14番・森勇斗の左からのクロスに、8番・山口哲平がヘディングシュートを叩きつけて先制点を挙げる。文理大も積極的にシュートを放ち、静産大ゴールに迫るがどうしてもゴールを割ることができない。静産大は68分にも、コーナーキックの流れから、最後は笹ヶ瀬皓大が頭で合わせて追加点。この2点目が決定的なゴールとなり、静産大が2回戦にコマを進めた。
法政大学 4(2-0)2 関西大学 @松島フットボールセンター1
ともに昨年度大会では初戦敗退を喫した、関東第6代表の法政大学と関西第4代表の関西大学。昨年の雪辱を果たすべく臨んだ初戦は、しかし序盤から思わぬ差がつく結果となった。法大は開始早々の4分、スローインからチャンスを作ると、最後は相手のクリアボールを拾った27番・小湊絆がゴールに蹴り込んで先制。法大はさらに12分、23番・松村晃助が相手GKにプレッシャーをかけてミスを誘うと、中途半端になったボールを小湊が拾ってそのままゴールへ。法大が2点を先取して前半を終えた。後半に入っても法大の勢いは止まらず、53分には前線に抜け出した村松が相手GKに倒されてペナルティーキックを獲得。これを小湊が決めて3-0に。小湊もハットトリックを達成した。法大は74分にも、7番・今野息吹のスローインを、途中出場の9番・久保征一郎が直接頭で合わせて4点目。これで試合が決まったかと思われたが、ここから関西大が反撃を始める。76分、丁寧にボールをつないで法大の守備を崩すと、最後は7番・堤奏一郎が左から鮮やかなシュートを突き刺して1点を返す。その4分後にもコーナーキックから6番・谷岡昌が頭で決める。2-4とその差を2点に縮めて法大を脅かしたが、その後は追加点なく2-4でタイムアップ。終盤に失点を喫したものの、小湊のハットトリックを含む4ゴールを挙げた法大が初戦に勝利した。
北海道教育大学岩見沢校 0(0-0)1 鹿屋体育大学 @松島フットボールセンター1
北海道代表の北海道教育大学岩見沢校と、九州第2代表として3大会ぶりの出場となった鹿屋体育大学の試合は、序盤から鹿体大が主導権を握り積極的に攻撃を仕掛ける。前半は岩教大のシュートを0に抑えた鹿体大だが決定機を決めきれず0-0で前半を終了。ようやくスコアが動いたのは67分。鹿体大は中盤で岩教大からボールを奪うと、13番・畠中健心、7番・片山颯人が素早く前線へと運び、最後は16番・加藤大晟がダイレクトで合わせてゴール。これが決勝点となり、鹿体大が2回戦進出を決めた。
富士大学 3(2-1)2 周南公立大学 @七ヶ浜サッカースタジアム
開催地の東北第2代表・富士大学と中国地区代表・周南公立大学(※前回は徳山大学として出場)の試合は、最後まで激しく競り合う好ゲームとなった。先制したのは、これが4大会ぶりの出場となる周南大。7分、右サイドでチャンスを作ると、最後は10番・瀬川颯摩が頭から飛び込んでゴールを決める。しかしその3分後には富士大もフリーキックから相手のオウンゴールを誘い同点に追いつく。富士大は23分にもペナルティーキックを獲得。これを24番・寺崎朋範が決めて逆転に成功する。このまま逃げ切りたい富士大だったが、周南大も後半に入ると攻勢を強め、69分、クリアボールを拾った松尾壌一郎がワザアリのシュートを叩き込んで同点に。試合は振り出しに戻った。しかし、試合も終盤に差し掛かった81分、富士大はフリーキックを獲得。寺崎が蹴り入れたボールに、15番・金野泰治が右足で合わせて勝ち越し弾。富士大が3点目を挙げて、この接戦に決着をつけた。
順天堂大学 2(1-0)0 金沢学院大学 @いわぎんスタジアムB面
前回に続いての出場となる、関東第4代表・順天堂大学と北信越第2代表、初出場の金沢学院大学の一線。試合は終始順大が主導権を握る展開となったが、金学大の守備の前に順大もなかなかゴールを割ることができない。それでも41分、順大は10番・小林里駆の浮き球のパスに7番・岩井琢朗が反応。そのまま相手DFとGKをふりきると無人のゴールにシュートを流し込んで先制する。後半も前半同様、なかなか決めきれない順大だったが、86分に5番・坂本琉維が右サイドを独走。ゴール前に入れたボールを、小林がワンタッチで流し込んで追加点。順大が2-0で金学大を下し、2回戦に進んだ。
常葉大学 1(1EX0)0 福山大学 @岩手県営運動公園第1グラウンド
ともに連続出場となる、東海第3代表・常葉大学と中国第1代表・福山大学の対戦。試合は序盤から常葉大が優位に進めるものの、福山大の粘り強い守りを崩せず決めきれない。後半に入ると、福山大も少ないチャンスを活かして常葉大に迫るなど、どちらに転んでもおかしくない展開に。しかし、どちらもゴールを割ることなく、両チーム無得点のまま延長戦に突入。するとタイムアップが近づきつつある106分、ようやくスコアが動く。106分、常葉大は10番・古長谷千博のロングキックを9番・前田翔茉が落とすと、そこに走り込んできた7番・伊藤翼の強烈なシュートが突き刺して先制。これが決勝点となり、常葉大が苦しみながらも初戦に勝利した。
中央大学 2(1-0)0 高松大学 @岩手県営運動公園第1グラウンド
9大会ぶりの出場となる関東第5代表・中央大学と、こちらも4大会ぶりの四国代表・高松大学の一戦。試合は、中大がほとんどの時間帯でボールを握るが、なかなかチャンスを決めきれない。それでも34分、16番・小川嵩翔の右コーナーキックに19番・持山匡佑が頭で合わせて中大が先制する。高松大も流れを変えるべく、後半の頭から11番・三好憂を投入。対する中大も54分にスピードのある8番・山﨑希一をピッチに送り出してこれに対応。両者一歩も引かない展開となった。しかし61分、中大はまたしても小川の右からのクロスに持山がヘディングシュートを叩き込んで追加点。リードを広げられた高松大は、その差を埋めることはできず試合終了。中大が9大会ぶりの勝利を手にした。
早稲田大学 3(1-0)0 立命館大学 @いわぎんスタジアムB面
関東第3代表・早稲田大学と関西第3代表・立命館大学、東西古豪の全国大会での久しぶりの対戦。先手を取ったのは早大。23分、10番・植村洋斗の鮮やかなミドルシュートが決まり早大が先制する。対する立命大もいくつか決定機を作り、両者譲らぬ展開に。だが、後半序盤の54分、立命大の7番・竹田豪が早大の5番・石川真丸をペナルティーエリア内で倒し、得点機会阻止で退場に。またこのファイルで早大にペナルティーキックが与えられることとなった。キッカーの植村は、これをゴール左隅に落ち着いてき決めて2-0に。その後、ひとり多い状態となった早大は試合を優位に進め、72分にも17番・本保奏希が3点目を決めて勝負あり。東西古豪対決は、早大に軍配が上がった。
1回戦の結果、北海道、中国、四国地域代表の敗退が決まり、関西も4チームのうち半分が敗退することとなった。2回戦からは東北、関東、東海、関西、九州地域のチャンピオンチームを含むシード8校が登場。さらに熱く厳しい戦いが繰り広げられる。