JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』3回戦マッチレポート
2023/09/07


 『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』は、9月6日(水)に3回戦が行われた。2回戦までを勝ち抜いた東北、関東、東海、関西の4地域の8チームが、ベスト4を懸けて熱戦を繰り広げた。


国士舘大学 2(0-3)4 法政大学 @松島フットボールセンター2


 連覇を狙う国士舘大学は、同じ関東代表の法政大学と対戦。宮城県内が記録的な大雨となった影響で、急遽会場とキックオフ時間を変更して迎えたこの試合は、開始早々から思わぬ展開となった。法大は立ち上がりから積極的にボールを動かし、開始早々の2分に11番・中川敦瑛がペナルティーエリア外から強烈なシュート。これは国士大GKに弾かれるものの、こぼれ球に詰めていた27番・小湊絆が押し込んで先制する。小湊は9分にも、GKに弾かれた自らのシュートを再度押し込んで2点目をマーク。さらに法大は20分、水たまりに苦しめられながらも7番・今野息吹、14番・吉尾虹樹とパスをつなぐと、29番・青木俊輔が中央を突破。最後はまたもや小湊が右足を振り抜いて3-0に。小湊はわずか20分間で、本大会2回目のハットトリックを達成する。だが後半に入ると国士大も反撃に出る。76分には、フリーキックの流れから、交代したばかりの23番・東川続が押し込んで1点を返す。しかし法大もその1分後に24番・小池直矢がゴールを決めて1-4に。国士大も90+4分に東川が2点目を挙げるが反撃はここまで。先手必勝、早い時間帯にゴールを重ねた法大が、昨年度王者の国士大を下してベスト4へ。国士大の2連覇への野望は、ここで潰えることとなった。


中京大学 0(6PK7)0 富士大学 @松島フットボールセンター2


 東海代表で唯一残った中京大学と同じく東北代表最後の1校・富士大学。地域勢同士の生き残りを懸けた一戦は、"我慢比べ"の様相だったと言っていいだろう。立ち上がりから主導権を握ったのは中京大。水たまりに足を取られながらも、波状攻撃で得点を狙う。しかし富士大もGKの25番・折口輝樹を中心に粘り強くゴールを守る。後半に入り、さらに攻撃のギアを上げた中京大だったが、何度となく決定機を作りながらもゴールを割ることができない。両チーム延長戦を経ても無得点のまま、勝負はPK戦に委ねられた。
 PK戦でも両チーム一歩も引かず、全員がきっちりとシュートを決めてサドンデスに突入。先攻である富士大の7人目が成功したのに対し、中京大は7人目の29番・折出幸大がゴール左に外し、ついに勝敗が決する。シュート数は中京大が11に対し富士大がわずかに1。終始攻め込まれながらも、耐えきった富士大がPK戦を制して初の準決勝進出、東北勢としては12大会ぶりとなるベスト4入りを果たした。


順天堂大学 1(1-0)0 新潟医療福祉大学 @いわぎんスタジアムB面


 昨年の大会では、ともにこの3回戦で敗退となった順天堂大学と新潟医療福祉大学。昨年以上の成績を誓う両チームの試合は、立ち上がりから新医大が主導権を握り積極的に攻撃を仕掛ける。特にエースの9番・田中翔太が何度となくゴールを狙うが、どうしても決めきれない。するとアディショナルタイムに入った45+1分、順大の3番・三輪椋平が左から入れたロングキックを、新医大はクリアし損ねてしまう。これを拾ったのが順大の10番・小林里駆。右足で放ったシュートは、相手DFに当たってコースを変えるとGKの頭上を越えてゴールへ。順大が僅かなチャンスを逃さずに先制点を挙げた。ビハインドを負った新医大は後半の頭から11番・青木友佑を投入して猛攻を開始。しかし順大のゴールをどうしても割ることはできず、ノーゴールのままタイムアップに。順大が前半に挙げた1点を守り切って、6大会ぶりのベスト4に進出した。


中央大学 1(0-1)4 関西学院大学 @いわぎんスタジアムA面


 第35回大会で逃した優勝を目指す中央大学と、7大会ぶりの優勝を目指す関西学院大学の東西対決。試合は前半から、関学大が関西チャンピオンの実力をいかんなく見せつけて中大ゴールに襲いかかる。15分には、19番・小西春輝のワンタッチパスを受けた7番・7 濃野公人がボックスの右からゴール左上に鮮やかなシュートを決めて先制。なかなかチャンスをつかめない中大は、後半の頭から8番・山﨑希一と6番・小川嵩翔の2人を一気に投入して巻き返しを図る。すると中大は53分、GKの1番・猪越優惟のロングキックを起点にチャンスを作ると、細かくパスをつないで最後は10番・田邉光平がゴール左隅にシュートを突き刺す。試合は振り出しに戻ったが、ここから関学大が本領発揮。60分、濃野の上げたクロスに小西がヘディングシュートを叩きつけて再びリードを奪うと、65分と66分に9番・渡邉颯太が連続ゴールを挙げて1-4と中大を大きく突き放す。わずか6分間で3点を決めた関学大が、その後も危なげないゲーム運びで快勝。準決勝にコマを進めた。





 3回戦では昨年度優勝校の国士舘大学が敗れ、また中京大学と新潟医療福祉大学が敗退したことで東海、北信越地域のチームが姿を消した。ベスト4に残ったのは、東北、関東2チーム、関西の3地域代表。なかでも、初のベスト4進出となった東北第2代表・富士大学の躍進が光る。残る3チームは、いずれも優勝経験のある強豪ばかり。はたして準決勝では、これらのチームがどのような戦いを繰り広げるのか。準決勝は9月8日(金)に2試合とも13:00キックオフで行われる。