JUFA 全日本大学サッカー連盟

総理大臣杯
『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』準決勝マッチレポート
2023/09/09


 ついにベスト4が出揃った『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』。優勝経験のある法政大学、順天堂大学、関西学院大学ら関東・関西勢が順当にコマを進める中、初のベスト4入りを果たしたのが東北代表の富士大学。決勝に進出するのは関東の古豪か、関西の強豪か、はたまた東北か。最後の試合への切符を懸けて、熱戦の火蓋が切って落とされた。



法政大学 2(3PK4)2 富士大学


 昨年度王者の国士舘大学を大勝で下した法政大学は、東北勢唯一の生き残り富士大学と対戦。前半は両チームとも決めきれず、一進一退の拮抗した状況のまま0-0で終了。

 後半を迎え、先に動いたのは法大だった。後半頭から5番・渡邉光陽を投入すると、58分には前線の3人を一気に交代。ここまで7得点を挙げている27番・小湊絆らを下げ、9番・久保征一郎、23番・松村晃助、29番・青木俊輔を一気にピッチへと送り出す。猛攻を仕掛ける法大は70分、久保のシュートが相手DFに弾かれたところを渡邉光陽が蹴り込んでゴール。"交代組"が結果を出す形で、法大が待望の先制点を挙げた。法大はその4分後にもスローインからチャンスを作り、渡邉光陽がシュート。これはポストに弾かれるものの、15番・揖斐俊斗がペナルティーエリア外でボールを拾って左足のシュート。これが決まり、法大が2-0とリードを広げる。これで試合は決まったかと思われたが、富士大も最後まで粘り強くチャンスをうかがう。80分にコーナーキックを獲得すると、19番・奥野睦生が頭でつなぎ、最後は7番・芝西大希が押し込んで1点を返す。2-1のまま試合は最終盤へ。表示されたアディショナルタイムは4分。そして90+4分に劇的なゴールが生まれる。富士大はスローインを受けた左サイドバックの3番・安野天士がゴール前にクロスを入れる。GKがボールを弾いたその位置に、フリーでいたのは11番・松田空良。落ち着いてゴール左下にシュートを決め、最後の最後に富士大が追いついた。

 振り出しに戻った試合は延長戦に突入。しかしどちらもゴールネットを揺らすことなく、勝敗はPK戦に委ねられた。法大は2人目のキッカー、18番・日高華杜のシュートがバーの上に。しかし法大のGK、1番・中川真は富士大の5人目、2番・藪中海皇のシュートをストップして望みをつなぐ。だが、直後にスポットに立った法大の29番・青木のキックはまたもやバーの上へ。この瞬間、富士大の初の決勝進出が決まった。


順天堂大学 1(1-1)3 関西学院大学


 6大会ぶりの決勝進出を目指す順天堂大学と、7大会ぶりのファイナリストを狙う関西学院大学の東西対決。試合は、立ち上がりから関学大が主導権を握り、順大を圧倒する。9分には19番・小西春輝のシュートをGKが弾いたところを、2番・山本楓大が蹴り込んで関学大が先制。さらなる追加点を狙う関学大だが、順大も数少ないチャンスからゴールをうかがう。17分、順大は厳しいプレスをかけると、関学大のGKへのバックパスを8番・栗原諒がカット。GKを振り切って無人のゴールにシュートを流し込んで同点に追いついた。しかしその後、順大はチャンスらしいチャンスを作れず、試合は関学大ペースに。それでも順大の粘り強い守備を崩せないまま1-1で前半を終えた。

 後半に入ると順大は10番・小林里駆、関学大は10番・倍井謙を投入。ともにキーマンをピッチに送り出すが、なかなかスコアは動かない。しかし74分、関学大は7番・濃野公人を起点に攻撃を組み立てると、17番・高木大輝の右からのクロスに、小西が頭で合わせて追加点を挙げる。再び勝ち越した関学大の攻撃はさらに加速。84分にはコーナーキックから、途中出場の美藤倫がヘディングシュートを決めて勝負あり。終始、試合を支配し続けた関学大が1-3で勝利し、7大会ぶり、2回目の優勝を目指して決勝に進む。





 決勝の対戦カードは、東北勢初の決勝進出を果たした富士大学と、7大会ぶり2回目の優勝を狙う関西学院大学の対戦となった。法政大学と順天堂大学はともに準決勝で敗退。関東勢が決勝に残らないのは、2009年以来、13大会ぶりのこととなる。夏の大学サッカー日本一の座に輝くのは初優勝の富士大か、関西王者の関西学院大学が2回目の栄冠に輝くのか。決勝戦は明日9月10日(日)13:00キックオフ、ユアテックスタジアム仙台で行われる。