ついにファイナルを迎えた『2023年度 第47回 総理大臣杯 全日本大学サッカートーナメント』。9月10日(日)、決勝の舞台であるユアテックスタジアム仙台のピッチに立ったのは、東北第2代表の富士大学と、関西第1代表の関西学院大学。夏の大学日本一に輝くのは、東北勢としての初優勝も目指す富士大学か、それとも7大会ぶり2回目の栄冠を狙う関西学院大学か――。
富士大学 2(0-0)1 関西学院大学
初優勝を目指す東北の雄・富士大学と、2回目の優勝を狙う関西チャンピオンの関西学院大学。試合は立ち上がりから関学大が積極的にボールを動かす展開に。10番・倍井謙、23番・美藤倫らJ内定選手を中心に攻撃を仕掛ける関学大に対し、富士大は落ち着いて対応。関学大になかなか決定機を作らせない。しかし26分、富士大にアクシデント。準決勝でゴールを挙げた7番・芝西大希が負傷し、交代を余儀なくされる。それでも関学大の攻撃を防ぎ、両チーム無得点のまま試合を折り返した。
後半も関学大ペースでスタートを切るが、富士大もセカンドボールを拾い少しずつ関学大陣内に攻め込む。
50分過ぎにはスローインからチャンスを作り、コーナーキックを獲得。24番・寺崎朋範が蹴り入れたキックは交代直後の11番・松田空良が関学大GK、22番・成田三太郎と競り合うが、GKがわずかに早くボールを掻き出す。しかしそこに22番・白和勇心が飛び込み、左足でボールを押し込みゴール。56分、予想外のアクシデントで交代出場となった白和のゴールで、富士大が今大会初の先制点を挙げた。対照的に、今大会初の先制点を許した関学大だったが、その後は6番・長尾優斗を中心に攻撃を組み立てて反撃を開始。だが、どうしても富士大ゴールをこじ開けることができない。72分には、関学大の19番・小西春輝のシュートを、富士大GKの25番・折口輝樹がストップ。すると、ここから富士大が鮮やかなカウンターを仕掛ける。GK折口のゴールキックは関学大のペナルティーエリア近くまで伸び、これを関学大DFがヘディングでクリアー。しかしゴール近くに逸れたボールをフォローしようとGKが前に飛び出すと、すかさず富士大・寺崎がゴール前へ。寺崎がそのままGKの頭上を越えるシュートを放つと、ボールは無人のゴールへと吸い込まれる。僅かな隙を見逃さなかった富士大が追加点を挙げ、2-0とリードを広げた。関学大もその後猛攻を仕掛け、アディショナルタイムに突入した90+4分には、美藤がシュート。これはGKが弾かれるものの、こぼれ球を倍井が蹴り込んで1点を奪取。同点に追いつき、延長戦にもちこみたい関学大だったが、ほどなくして試合は終了。
少ないチャンスを確実にモノにし、2点を先取した富士大が、東北勢としては初となる総理大臣杯・全国大会優勝をはたした。