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【レポート】第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)男子日本代表発表記者会見
2015/05/15
さる5月11日(月)、JFAハウスにて第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)男子日本代表発表記者会見が行われました。
メンバー発表は、神川明彦・男子サッカー日本代表監督によって読み上げられ、その後メンバーに選出された福島春樹選手、湯澤聖人選手、室屋成選手が登壇。大会への意気込みを語りました。以下、記者会見の監督、選手のコメントをご紹介いたします。
第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)
男子サッカー日本代表 神川明彦監督
■ご挨拶
2013年11月1日に監督に就任し、今年の7月31日までの任期ということでここまで来たわけですが、任期中にご協力いただいた全日本大学サッカー連盟の皆様、そして全国の大学サッカー関係者の皆様、そして多忙にも関わらず、我々の活動に快く選手を派遣してくれた所属大学のスタッフの皆様、各スポンサー社様、そして遠征でお世話になった方々、すべての方に感謝を申し上げます。
私たち全日本大学選抜、そしてこれからユニバーシアード日本代表として活躍する我々は、そういった多くの人々の支えによって成り立っています。そういった方々の感謝の気持ち、そして常に謙虚な気持ちと向上心をもって、韓国・光州のほうに乗り込みたいと思います。
この選考に関わってくれた多くの選手、選考から漏れてしまった選手がたくさんいます。そういった選手の思いも一心に背負って、これから発表する20名、そしてスタッフ一同、全力をもって戦うことをここに誓います。
■メンバー選考にあたって
私は2013年11月1日に監督に就任しましたが、常々代表監督というのは選手を選考するという仕事が大方を占めているのではないかと考えています。私は2013年の大邱大会にコーチとして参加し、優勝するという大変貴重な経験に恵まれました。その際にも西田裕之監督から「関東地区の選手はお前がすべて見るように」と言われ、選考権限を与えられたという経緯もございます。
私は2014年1月1日から昨日までの間に大学の試合を168試合見て、所属大学で常にレギュラーとして出場している選手を中心に視察をしてきました。各ポジションで強い個性をもってプレーしているかどうか。私の掲げる三原則、「運動量」「球際」「切り替え」に基づき、ハードワークをしているかどうか。強いメンタリティーをもってプレーしているかどうか。そして怪我の状況はどうか。こういったことを常に念頭に置きながら、各所属の大学、各地域の技術委員の方々など多くの情報と絡め合わせながら、選考させていただきました。
これまでに招集したデータを簡単にまとめますと、バックアップのみも含めた招集選手が全部で78名、そのうち1回以上の招集が64名、2回以上の招集が43名です。その中で1次登録をしたのが50名、そしてユニバーシアード大会出場に必須となるメディカルチェックを受けたのが27名、そして最終メンバーが20名となりました。ざっと活動の日数を数えたところ84日間、31戦24勝6敗1分という成績で、67得点30失点。0得点が4試合、無失点が14試合といった試合を積み重ねてきました。
最終登録メンバーについては、まず各ポジションにおいてしっかりとした個性を発揮できているかどうか、プラス複数のポジションでプレーすることができるかどうか。ふたつめは長丁場の大会においても、チームのために献身的に戦える人物かどうか。そして3番目として、私たちスタッフから信頼を寄せられているプレーヤーかどうか。こういったことを鑑みて、このメンバーに決めました。
第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)
男子サッカー日本代表選手
■福島春樹(専修大)
このチームは結成当初からみんなでミーティングをして、ユニバーシアードでは金メダルをとらなければならないというというところで意思統一をしているので、一戦一戦全力で戦いたいと思います。
■湯澤聖人(流通経済大)
自分は大学サッカー自体に恩を感じていて、このユニバーシアードで優勝して、大学サッカーに恩を返したいと思います。
■室屋成(明治大)
このチームは金メダルをとることを目標にずっと戦ってきたので、目標に向かってしっかり戦いたいと思います。韓国をはじめ強いチームがたくさんいる中で、簡単な試合があるわけはないので、その中でチーム一丸となってしっかり戦いたい。神川監督には明治大でもお世話になっているし、ユニバ代表に選んでいただいたという感謝の気持ちとともに、恩返しをするためには優勝するしかないと思います。その目標に向かって、個人としてもチームとしてもしっかり優勝という結果を残したいと思います。
【質疑応答】
――神川監督におうかがいします。韓国開催ということで、やはり韓国が最大のライバルになるのではないかと思います。韓国の印象と、ライバルとして警戒している国があれば教えてください。
韓国とは3月29日にソウルで日韓定期戦があり、結果、1対2で敗れまして大変くやしい思いをしました。韓国はとても強いです。何が強いかというと、今までのイメージである、大型選手が多く、ロングボールを入れてきて、セカンドボールを奪って……というような強さだけではないということです。ディフェンスラインもGKもそれほど大きくはないのですが、しっかりとしたビルドアップから4-3-3のシステムでアンカーをうまく利用して、しっかりとフィニッシュまでもってくる。そうした個性があるうえで後半、1点ビハインドを負った状態になったとなると大型の選手を次々と投入してくる。これは日本のサッカー界全体の課題ではあると思うのですが、ヘディングだったりルーズボール、浮き球の処理といったところで後手を踏んでしまい、最終的に敗戦してしまった。そういった戦い方の使い分けができる“幅”をもっているという点において、非常に韓国は強いな、という印象があります。昨年の日韓戦で対戦したときは、全体的にバラバラだという感覚をもっていたのですが、今年のチームは非常にまとまりがあり、非常に手強いという印象でした。
その他の国については、当然前回の優勝国であるフランスは、前回日本が敗れているチームですので最大のライバルのひとつではないかと思っています。あとは、順当にいけば準々決勝、準決勝で当たる、フランスと同組のウクライナ。このあたりは強敵になるのではないかと考えています。
グループリーグに目を向けますと、ブラジル、マレーシアは初戦を映像で確認することができますので置いておいて、やはり気になるのは初戦のイランですね。イランは2001年大会以来の出場と思われますので、14年ぶりの出場でまったくデータがないという点、そして準備がしずらいという点で、初戦の相手としては非常にやりにくい相手だと思っています。ただ、逆にいえばいい緊張感をもって臨めるという点を活かせていければと思っています。
――各選手に。それぞれ、自分のどんなところが評価されて、代表に選ばれたと思っているか、お聞かせください。
福島
僕が評価されたと思っている点は、まずひとつにほかの選手に比べて存在感があることだと思います。コーチングの声だったり、チームをまとめるための声を、人より出せる。そこは自分のストロングポイントだと考えると、後ろから盛り上げたり、大事なところでしっかりいったり。そういった声の部分も自分の特徴だと思うので、そこも含めて選考されたと思います。
湯澤
自分はサイドバックで、縦への推進力だったり、1対1の個の部分。そして精神的な部分でいえば、(全国大会2冠を達成した流通経済大学所属で)チームとしてトーナメントを勝ち上がった経験が誰よりもあると思っているので、そういった部分をしっかりユニバーシアードでチームに伝えていけるようにしたいし、そこを評価されたのだと思っています。
室屋
僕は運動量や攻撃参加の部分で評価されたと思いますし、学年は3年と(ふたりより)ひとつ下ですが、その中でも遠慮せずに自分のできるプレーを発揮できるというところが、評価されたのだと思っています。
――各選手から見たチームの特徴、セールスポイントは?
福島
チーム結成当初から固い守備というのが大きな力となっていて、いい守備からいい攻撃というのは僕たちのチームのテーマです。いい守備をして、ゼロで守れていれば必ずチャンスはあって、フィニッシュを決めてくれる強力な2トップがいます。彼らに託すというわけではないのですが、チーム全体として前線にボールを預けられることができれば、僕たちのいいサッカーができると思っています。
湯澤
このチームのストロングポイントは、福島がいったように守備が固く、前線からのプレスをチームとして徹底していることだと思います。また長い時間をかけてチーム作りをし、海外遠征もしてきました。そういう意味で、チーム全体がしっかりコミュニケーションがとれているところが強みだと思っています。
室屋
チーム全体の雰囲気がよいということと、神川監督が球際やハードワークを求めているので、そういう部分を表現できる選手がそろっているところが、このチームの特徴だと思います。
――神川監督に。今回の大会参加と選考にあたり、ハリルホジッチ監督と何か話されましたか?
ありません(笑)。ただ、同世代の代表の監督である手倉森(誠)さんとはU-21代表時代から2試合ほど練習試合をさせてもらったり、同じタイミングでJ-GREEN堺でキャンプをさせていただいたりして、そこで情報の流通・共有をさせてもらっています。常にU-22世代のチームとは連携をとっております。特に室屋については、先日の五輪1次予選にも参加していますし、そういった意味では連携をとれていますが、ハリルホジッチ監督については私もまだテレビで見たことしかおりません。
――今、カテゴリーを共有化しようという動きがありますが、その中で大学のサッカーというのはどのように位置づけられているとお考えですか?
霜田技術委員長とは、年数回の全日本大学サッカー連盟の技術委員会で情報共有を深めております。今は木村浩吉さんにバトンタッチをされていますが、そういった中で日本サッカーの共通の課題というものを提示されております。それが決定力不足、カウンターへの対応の弱さ。そういった部分は共有しております。ただ、このユニバーシアード代表が日本のサッカー界においてどのような位置づけになるかということに対して、組織だった話しあいはされていません。しかし、ここにいる選手たちは全員が将来的にはプロフェッショナルになると思われますので、現在のJリーグ、日本サッカー界が抱えている課題については、我々の活動を通して彼らには伝えているつもりです。
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