JUFA 全日本大学サッカー連盟

全日本大学選抜
【レポート】ユニバーシアード男子代表・大阪合宿2日目
2015/05/19
 J-GREEN堺にて行われている、第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州)男子サッカー日本代表メンバーの国内・大阪合宿。合宿2日目となった19日は、大阪合宿唯一の午前・午後の2部練習の日となりました。

 午前の部では、まず最初に乾真寛技術委員長からの話がありました。「君たちはもう、“候補”ではなくユニバ代表選手」と、選手たちに自覚をうながす乾委員長。自身も監督、コーチとして3度のユニバーシアード優勝経験を持つ乾委員長のユニバーシアード体験談に基づく言葉に、選手たちも聞き入っていました。

 トレーニングでは、阪南大から4人のトレーニングパートナーを加えて、昨日同様、実戦を想定した、さまざまな状況の確認が行われました。グループリーグ戦などで予想される“引いて守る”相手に対してどのようにゴールを狙うのか。1トップ+2シャドウ、2トップ+1シャドウ、そして澤上竜二選手、岡佳樹選手、呉屋大翔選手による“関西組3トップ”など、さまざまな状況に対応できるような練習が続けられます。

 「スタッフの中には、このチームならこういうサッカーができるといったイメージはあるが、それをホンモノにするためは、選手の熱意や根気、魂といったものが必要」

 神川明彦監督は、トレーニングの合間にそんなメッセージを、選手たちに伝えていました。

 午後のトレーニングでは、さらに細かく攻撃の状況の確認。CKからの攻撃やショートカウンターなどの連携を確認。2グループに分けた選手たちの攻守を細かく切り替えて、神川監督が指示を出します。午後のトレーニングの最後にはミニゲームが行われましたが、それも最後の数分間は、ブロックを作って守れた状況下での攻撃という課題が出されていました。

 明日は大阪合宿の最終日、FC大阪との強化試合が行われます。20分×3本と変則的なゲームとなりますが、その中で選手たちがどのような成長、変化を見せるのか。この合宿を経て、チームがまたひとつ成長することを期待したいと思います。



【選手コメント】


■八久保颯(MF・阪南大・4年)

 メンバーに選ばれて正直うれしいし、高校の監督や家族、これまで自分がかかわってきた人からお祝いのコメントをもらって、覚悟をもって戦わないといけないと思いました。
 自分の攻撃の部分、得点に絡むことをいちばん期待されているので、得点をすることでチームの勝利に貢献できたらいいと思っています。


■前川黛也(GK・関西大・3年)

 正直、(メンバーに)選ばれるかどうかは際どいと思っていました。でも、 ユニバーシアード代表メンバーに選ばれたということは自分にとっていい経験になるし、この世界大会で経験とともにしっかり結果を残して優勝に貢献していきたいです。
 これまでの選抜合宿では、代表に入るために常にいっぱいいっぱいになっていたのですが、正式に代表に選ばれて少し余裕ができたという部分はあります。その余裕を、しっかりといい方向に持って行きたいので、練習からもっともっと積極的に入っていきたいと思います。そして本大会では、自分の特長をしっかり出して、優勝に貢献したいと思います。


■岡佳樹(FW・桃山学院大・3年)

 選抜にはずっと呼ばれていなくて、もう(代表に選ばれる)可能性はないと思っていました。最後の最後で合宿に呼ばれて選ばれたので、すごくうれしかったです。4月の合宿では、紅白戦でもゴールの意識を強くもってプレーしていたので、それがよかったのかな、と思います。正式にユニバーシアードの日本代表になったということで、もっと自分が代表という自覚をもってやらないといけないな、と思ってきています。
 今日やった3トップの練習は、これまでやったことがないので戸惑うことも多かったのですが、もっと練習をしてふたり(澤上、呉屋)にあわせていきたいと思います。
 自分はFWというポジションをやっているので、たくさん点をとってチームに貢献できたらいいと思っています。


■長谷川竜也(MF・順天堂大・4年)

 自分は春先に怪我をしていたこともあって、4月の合宿では(メンバーに)選ばれるかどうかといった緊張感がありました。今回の合宿は、選ばれてほっとした部分もあるけれど、代表に選ばれて合宿に臨むという責任感を感じました。選ばれたからには、自分のことよりもまずチームのことを考えないといけないし、絶対に優勝しなくてはいけない。そういう意味では、4月の合宿では“緊張感”、今回の合宿では“責任感”という違いはあると思います。
 前回の合宿は選考という面もあったので細かい部分まではできなかったと思うのですが、今回の合宿ではチームとして戦う、そのうえでいちばん大切なコミュニケーションの部分を、口を酸っぱくして言われます。いつもより、みんなが確認するようになったと思います。
 ユニバーシアード大会に向けてというだけではなく、個人的には、常に決定的なチャンスが来たときに、決定的な仕事ができる選手にならなければいけないと思っています。決定的なシーンを生み出すということに関しては、できている部分もあると思うので、その回数をもっと増やすこと。そして自分が決定機に絡んで、決めきるということが、これから1ヶ月半で求められることだと思っています。


■端山豪(MF・慶應義塾大・4年)

 (全日本大学選抜に)呼ばれていない期間があって、その後にスペイン遠征と(デンソーカップの)日韓戦、そして4月の合宿に呼ばれて、限られた時間の中で最後に自分のしなければならないことはできて、アピールはできたのかな、とは思っていました。ただ、(メンバーに)入る時は入るし、入らない時は入らないとも思っていました。
 4月の合宿ではみんなとプレーする時間が少なかった中で、2本ゲームに出て、そのうち1本はいい連携もできたと感じていました。ブランクはあったけれど、プレーの共通理解という意味では、それなりに手応えもありました。
 メンバー選考を終えた今回の合宿は、チームとしてまとまっていこうという段階に入ってきていると思います。みんなもそのことを意識していると思うし、チームの雰囲気もスペイン遠征の頃からは全然違います。個人的にも、スペインの時は、全日本選抜に呼ばれていなかった期間が長かった分、それを取り返すような積極的なプレーやアピールが必要でした。今は自分のよさを出すという意味では同じかもしれないけれど、チームとしてまとまっていくためにもっとコミュニケーションが必要かなと思います。
 (所属する慶應義塾)大学でも、勝負弱さみたいなところが出てしまっている部分があるので、決めきるところで決めるとか、五分五分の試合でしっかり競り勝つなど、勝負に対してしっかり執着することが自分の課題だと思います。大会までの1ヶ月半、勝ちきることや点を取りきるといった点を、もっとシビアにやっていかなければならないと思います。


■奧山政幸(DF・早稲田大・4年)

 全日本大学選抜からユニバーシアード代表という肩書きに変わって、責任感や自覚といったものをより強く感じるようになりましたし、金メダル獲得に向けてチーム一丸となってやっていかないといけない。神川監督からも、改めてユニバーシアード大会の目標として“優勝”“金メダル”という言葉が掲げられました。そのためにもチームとして、そして個人的にもこのチームの立ち上げから呼んでもらっているので、責任はより強くなったと思っています。
 神川監督からは、いろいろなポジション(全日本選抜ではボランチ、センターバック、サイドバックでプレー)をできることは強みだよね、と言われていましたし、自分でもその通りだと思うので、どこのポジションに入っても、自分の役割をはたすだけだと思っています。
 立ち上げからの1年半、個人的には今年の日韓戦で韓国に負けたことがいちばん印象に残っています。今も悔しさは残っていますし、アウェーでの試合、そして韓国の自分たちに対する思いのようなものも伝わってきました。ユニバーシアードでもう一度韓国と対戦する機会があるかどうかわかりませんが、絶対に雪辱を晴らしたいというように思うようになりました。
 これからは、もっと細かいところでのコミュニケーションをとっていかなければならないと思うし、それがチーム全体としてもうひとつ上のレベルに行けるか行けないかにつながってくると思います。言葉にすれば簡単なことかもしれませんが、お互いに要求しあったりという部分はもっともっとやっていきたいと思います。