ファーストラウンド最終戦、対マレーシア戦に勝利したユニバーシアード日本男子代表は、翌8日に光州市内で雨中、1時間ほどのトレーニングを行いました。試合に出場した選手はリカバリー中心、出場、もしくは交代選手は簡単なボール回しなどを行い、最後にGKを含む全員でPK戦の練習をし、その後はフリータイムに。選手めいめいでの練習を行いました。
以下、マレーシア戦後、ならびに8日練習時の監督、選手コメントです。
【監督、選手コメント】
■神川明彦監督
このチームのベースはまずディフェンスなので、今日はその部分をきちんと構築したいと思っていました。初戦のイラン戦で1点を取られたことが非常にくやしかったので、なんとしても失点を減らしたいと思っていました。だから今日は4点取れたということより、失点しなかったことがよかったと思います。今日はセンターバックの萩間大樹も田上大地も、交代出場の端山豪、重広卓也、すべてよかった。長谷川竜也も最後に点を取れて、かなりすっきりしたのではなないかと思います。
澤上竜二の左足というのは脅威なので。今日の相手であれば彼をサイドにおくことで、ボールを持つ時間が増えるのではないかと思っていました。右サイドの八久保颯を休ませたかったというのもありますが、澤上は相手を背負うよりも今日はサイドに置いたほうがいいのでは、と思っていました。結果、八久保をはじめ他の選手も休ませることができ、また澤上から小林成豪へのパスのような素晴らしいプレーもあり、非常によかったと思います。今日は、相手のことを考慮してダブルボランチにしたのですが、それも正解でした。そのボランチでは、木本恭生が怪我から復帰し、65分間使えたことで今後の目処が経ちました。これで全員が戦列に復帰したことになるし、また岡佳樹も今日の試合で90分間戦えることを証明してくれました。
やはり澤上の先制点と前半終了間際のゴールはチームを救ったと思います。ただ、あれも澤上の個人技でのゴールというよりは、それまでみんなでつないで、粘って粘ってとったゴール。チームとして点が取れて、いい状態になってきていると思います。 結果的には怪我人も0、警告も0。そして試合内容も逆転勝ちあり、1点を守り切っての勝利もあり、流れから大量得点で勝った試合もありとバラエティに富んでいて、
これ以上いい状態はないので決勝ラウンドを迎えられます。
決勝ラウンドはPK戦があります。これまでずっと練習してきて自信はありますし、たとえPK戦になったとしても「PK戦になってしまった」という考えではなく「狙っていた通りの展開。PK戦なら勝てる」くらいの気持ちで臨みたいと思います。
■木本恭生(福岡大・MF・4年)
初めてスタメンで試合に出ることができてほっとしました。神川監督からは「まず守備」と言われていたので、個人としてもチームとしても守備から入ることを意識していました。緊張していたわりにはうまくいったと思いますが、守備面でもう少し相手の攻撃の芽を潰していきたいし、もっと攻撃にも絡んでいかないといけないと思いました。特に縦パスのところは意識をしていたんのですが、ミスを恐れてしまって安易に横にボールを出しすぎたところはあります。もうちょっと縦につけられるところでチャレンジできたらというのはあります。
この大会は情報が少なく、相手の実力がまったくわからないので、試合の中でつかんでいくしかないところが難しいです。次戦の対戦相手のフランスは、前回大会で先輩たちが負けているので、その借りを返したいです。また自分たちも金メダルを目指すうえで乗り越えないといけない相手だと思うので必ず勝ちたいです。
次戦はフランスで、前回大会で先輩たちが負けているので、その借りも返したいし、自分たちも金メダルを目指すために必ず乗り越えないといけないので、必ず勝ちたいと思います。
■澤上竜二(大阪体育大・FW・4年)
イラン戦では立ち上がりにシュートを外してしまったので、今日は立ち上がりのチャンスに決められたのがよかったと思います。クロスに対して入るときは今日のようにサイドハーフのほうがやりやすいのですが、それ以外のときは、正直1トップのほうがやりやすい(笑)。ただ、FWのポジションでいても、サイドに流れた時にはああいうシュート、攻撃は狙っています。今日はそれができたのがよかった。でも、もう少しボールを回しているときに攻撃に絡めたら、もっとよかったと思います。
今日は相手がボールのほうを見ていて、真ん中につられることが多かった。その分、サイドが空いていたので。外から入ったらフリーになるかなとは思っていました。1点目のゴールは、その狙いどおりでボールを蹴った瞬間に入ったと思いました。ゴール前にいる岡選手と目が合ったので、引いてボールを受けた瞬間に(パスを出すのではなく)シュートを狙おうと思っていました。2点目は、イラン戦でも室屋選手からいいクロスがきていたので、今回もいいクロスがくると思ってスペースに入っていたら、思ったとおりのボールがきたので、いい形で決められました。
■岡佳樹(桃山学院大・FW・3年)
初スタメンでしたが緊張しすぎないよう、日本代表だという強い気持ちをもって試合に臨みました。神川監督には、攻撃面での連動性を常日頃から言われていましたが、今日の試合でその部分がうまくいったと思います。相手の実力がよくわからないため、立ち上がりはやや慎重でした。チャンスがあれば裏に抜け出したいと思っていましたが、あまりうまく出せませんでした。特に、立ち上がりのシュートは惜しかったです。でも、このような国際大会に参加できる機会はそうないので、自分の実力がどこまで通用するかこれからも試していきたいと思います。
■湯澤聖人(流通経済大・DF・4年)
初戦のイラン戦で途中出場しましたが、国際大会の公式戦というのは初めてで、正直すごく緊張しました。雰囲気も、大学リーグとは違うという印象もあったので、次にブラジル戦に出るときは、その雰囲気に呑まれないようにしようと思いました。相手があまりこないから、攻撃面で余裕があることはわかっていたのですが、それ以上に守備でのミスと、自陣ゴール前でのイージーなミスをやめようということを自分の中で整理しました。ユニバーシアードという大会自体、決勝ラウンドからは強豪国とも対戦することになると思うのですが、その中で先制点をとられると厳しくなると思うので、その部分を意識してプレーしていました。
ただマレーシア戦では、スカウティングの情報だとかなりサイドが高い位置をとって、細かくつなぐチームだと思っていたので、自分たちが先が高い位置をとって主導権を握ろうという考え方が自分の中にはありました。また、自分自身としてもスタメンが2試合目ということもあって、コンディションも上がってきて90分間、上下動しても大丈夫だと思っていました。逆にブラジル戦のときは、自分に固さもあったのと、思っていたより相手の足元がうまくてリズムも違って、自分の中でとまどった部分も少しありました。その分、マレーシア戦は自分から仕掛けてみるという気持ちでやっていました。
自分は、この場にいることが当たり前ではないと思っています。所属する流経大でも、いろいろな人に支えてもらってはじめて、自分はユニバーシアード代表メンバーに選ばれたのだと思っています。そうした、自分を支えてくれた人、そしてここまで自分を選んでくれた神川監督にも優勝したいと思っています。とにかく、勝つことだけに集中したいです。
■試合結果詳細
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