JUFA 全日本大学サッカー連盟

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第28回ユニバーシアード競技大会(2015/光州) 準々決勝(vsフランス)マッチレポート
2015/07/10
 ユニバーシアード代表の準々決勝の相手は、B組を2位で通過したフランスです。前回のカザン大会では準決勝で対戦し、PK戦の末に日本が敗れた相手です。日本にとってはリベンジともいえる対戦となりました。

 フランスは監督のほか、選手8人が前回大会からのメンバー。対する日本は前回大会を経験している選手はいないものの、互いに特徴を知った上での対戦となります。前回大会では、徹底的に引いて守られたうえで、セットプレーから失点してしまいましたが、今回のフランスチームも戦い方は基本的には同じ。立ち上がりから、日本が積極的にボールを高い位置で保持し、攻撃を仕掛けます。

 10分には高橋諒選手から呉屋大翔選手、11分には小林成豪選手から高橋選手、14分には高橋選手のクロスから小林選手のヘディングシュートと、チャンスは作るのですがゴールにはつながりません。20分には、中盤から抜けだした和泉竜司選手のスルーパスに合わせて呉屋選手が決定的なシュートを放ちますが、これはGKが弾いてCKへ。22分にも、右サイドを室屋成選手と八久保颯選手がつなぎ、ゴール前の呉屋選手へとボールを送りますが、タイミングが合いません。

 その後も日本の波状攻撃は続き、32分には松下佳貴選手のヒールに和泉選手が合わせるも、シュートは枠を捉えられません。38分にも、左サイドで高橋選手が絶妙なトラップでボールをキープし、和泉選手がつないで逆サイドの八久保選手へ。フリーでボールを受けた八久保選手が、決定的なチャンスを迎えますが、シュートは枠の左外へ。フランスを圧倒しながらも、どうしてもゴールを割ることができません。

 逆に44分には、右サイドからカウンター攻撃を受け、逆サイドでボールを受けた相手の11番が、オーバーヘッドシュートを放つなど、ヒヤリとするシーンも。これは、GK福島春樹選手が素晴らしい反応で防ぎCKへと逃れます。日本はその後のCKを防ぎ、試合はアディショナルタイムに突入。このままスコアレスドローで折り返すかと思われましたが、福島選手からのゴールキックに和泉選手が反応。ボールをキープしようとしたところを相手DFに倒され、ペナルティエリアやや左前という絶好のポジションで、FKのチャンスを得ます。
 このチャンスにキッカーに名乗り出たのはセンターバックの田上大地選手。ファーストラウンド初戦のイラン戦でも、ライナー性の素晴らしいキックを放ちましたが、その時はイランGKの好守にあい、惜しくもゴールなりませんでした。今回は、そのリベンジとばかりに、強烈なシュートをゴールに突き刺しました。得点時間は45+1分。前半終了間際に、日本が待望の先制点を挙げます。

 追加点がほしい日本は、後半に入っても小林選手の突破を中心に積極的な攻撃を続けますが、なかなかゴールに結びつきません。55分には、八久保選手に代えて端山豪選手を投入。単調になりつつあった攻撃にアクセントがつきますが、ゴールは遠いまま。
 一方、フランスも選手交代をして少しずつ攻撃の形を作り始め、76分には左CKからSANSON Valentin選手が頭で合わせますが、これは福島選手が好判断で弾いてCKへ。ジリジリとセットプレーから得点を狙うフランスに対し、日本は78分に小林選手に代えて湯澤聖人選手を入れ、室屋選手をひとつ前にあげて守備を強化します。84分には、その室屋選手と澤上竜二選手を交代し、前線での攻撃の起点を作ると85分には呉屋選手が強引なドリブルで前線に飛び込むなど、足の止まってきたフランスに対して攻守両面で揺さぶりをかけます。

 しかし、日本にとって辛い時間帯になったのはこの直後でした。試合終盤、フランスは立て続けにCKのチャンスを得ると、粘り強く何度も何度も日本のゴール前にボールを入れます。そんな中、センターバックの田上選手が顔面を負傷して流血し、治療のためピッチ外へ。日本は10人で戦うことを余儀なくされます。フランスの高さのある攻撃に対し苦しめられたものの、GK福島選手がビッグセーブを連発し、アディショナルタイムの4分間を守り切ってタイムアップ。日本が、田上選手の挙げた得点を守り切ってベスト4に進出するとともに、前回大会の雪辱をはらしました。

 次戦、準決勝の対戦相手は過去5度の対戦経験のあるイタリアに決まりました。これまでの対戦成績は2勝3敗。うち2回は、決勝戦での対戦という因縁の相手です。2007年、2009年には破れているだけに、久々の対戦でそのリベンジを果たすことができるのか、その勝敗にご注目ください。試合は7月11日11時キックオフとなります。

■試合結果詳細