「アパマンショップPresents 平成27年度第64回全日本大学サッカー選手権大会」準々決勝戦マッチレポート
2015/12/15
アパマンショップPresents 平成27年度第64回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)
準々決勝戦マッチレポート
12月13日(日)、ベスト8が出揃い『アパマンショップPresents 平成27年度第64回全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)の準々決勝戦が行われた。関東・関西以外の地域代表がすべて敗退し、同地区同士の対戦が相次ぐ中、町田市陸上競技場では、昨年大会の決勝カードの再現となる、流通経済大学と関西学院大学が対戦。因縁の対戦で、関西学院大学が昨年の雪辱を果たすのかが注目された。
@味の素フィールド西が丘
第1試合は、逆転勝利で2回戦を勝ち抜いた阪南大学(関西地区第2代表/4年連続17回目)と、2回戦で慶應義塾大学を1-0で下した大阪体育大学(関西地区第5代表/3年連続18回目)の関西対決。
雨の影響もあり、慎重な立ち上がりだったが、開始8分、相手DFの後ろに出たスルーパスに反応した阪南大の19番・松尾雄斗がシュートを放ち、相手GKが弾いたボールを13番・前田央樹が押し込んで阪南大が先制する。このまま阪南大ペースで試合が展開するかと思われた21分、今度は大体大がロングスローから流れたボールを、11番・久保田駿斗が折り返し、それを4番・菊池流帆がヘディングで押し込み同点に追いつき、前半は1-1で終了。
後半は大体大がペースを掴みかけたが、59分に5番・太田賢吾が2枚目のイエローカードを受けて退場。数的有利に立った阪南大がペースを取り戻したが、大体大が守りきって1-1のまま延長戦に突入する。
試合が再び動いたのは延長前半の11分。8番・重廣卓也の技ありループパスを受けた13番・前田がこの試合2点目を決めて阪南大が再びリードする。その直後の延長前半15分には、大体大が29番・浅野雄也がドリブルで独走してまたもや阪南大に追いつくシーソーゲームとなったが、延長後半2分に11番・外山凌が3点を決めて阪南大が突き放す。大体大はその後、8番・後藤虹介が立て続けに警告を受け、108分に退場に。2人の退場者を出した大体大はこれ以上追いつくことができず、3-2のまま試合終了。阪南大が2年連続のベスト4進出を決めた。
第2試合は早稲田大学(関東第1代表/4年連続32回目)と、国士舘大学(関東地区第5代表/3年連族26回目)の関東対決となった。
リーグ戦では早稲田大学に軍配が上がったが、実力的には拮抗している両チーム。開始後は互いに攻めあぐねる展開が続いたが、前半の28分、早大の4番・金澤拓真が自陣のペナルティエリア内で国士大19番・諸岡裕人に対するプレーでファウルをとられ、国士大に痛恨のPKを与えてしまう。これを国士大3番・福田友也が冷静に決めて国士大が先制に成功。国士大は前半終了間際にも2番・山田真己人が追加点を決め、前半は国士大が2点のリードで折り返す。
後半に入り、巻き返しを図りたい早大であったが、雨の影響もあり、前線にボールが収まらない苦しい展開に。一方、国士大は51分、CKから10番・ 高見啓太が追加点を奪って早大を突き放し、さらに勢いに乗る。さらに65分にはGKのクリアボールを拾った国士大11番・山本真也のシュートを、16番・松本孝平がゴール前でヒールで流し込む技ありゴールし、ついに4-0と圧倒的なスコアに。対する早大も選手交代によって流れを引き寄せると、77分に7番・田中太郎がゴールを奪うも反撃は実らず、無念の敗退となった。個の強さを活かし、リーグ戦で2敗を喫した早大を打ち倒し雪辱を晴らした国士大が準決勝へと駒を進めた。
@町田市立陸上競技場
関東対決となった明治大学(関東地区第2代表/7年連続15回目)と順天堂大学(プレーオフ枠/2年連続20回目)の対戦は、互いに一歩ひかずにPK戦までもつれこむ接戦となった。
関東リーグでの対戦成績は明治大の2勝で、順大は「明治大は今年唯一の連敗チーム。今度こそ勝ちたい」(堀池巧監督)と意気込む。しかし、先制点をあげたのは明治大だった。前半の8分、7番・差波優人の右CKからゴール前が混戦になったところを、5番・小出悠太が右足で押し込んで明治大が先制し、前半を1-0で折り返す。
後半に入ると、順大は8番・新里涼をボランチのポジションに投入し、10番・長谷川竜也をトップ下へと上げて攻撃的なシフトにチェンジする。その成果はすぐに出た。後半開始早々の48分、左サイドでボールをキープした新里を起点に、24番・室伏航の浮き球に走りこんだ9番・佐野翼がカットインしてシュートし、同点に追いつく。両チーム、そのまま追加点をあげられず試合は延長戦へ。
延長戦でも先に動いたのは明治大だった。やや押され気味だった明治大だが、14番・早坂龍之介が右サイドを突破。交代出場の18番・道渕諒平がこれをゴール前に送ると、10番・和泉竜司が流し込んで追加点。再び明治大がリードを奪い延長前半は終了。しかし延長後半に突入してすぐの110分、今度は順大が意地を見せる。交代出場の18番・松島奨真が左サイドからゴール前に切れこむと、最後は14番・毛利駿也が決めて2-2に。しかし明治大は終盤の118分に、「チームでいちばんのお祭り男」(栗田大輔監督)という28番・岸本英陣が、差波の右CKを頭で押し込んで三度目のリードを奪う。これで試合は決まったかと思われたが、終了間際の120分にCKからのクリアボールを順大の3番・吉永哲也が拾ってゴール前にあげると、18番・松島が右足で押し込み順大がまたもや明治大に追いついて3-3となり、勝負はPK戦に委ねられた。
和泉、差波などプレースキッカーが退いていた明治大が不利かと思われていたPK戦だったが、明治大は全員成功。逆に順大の3人目のキッカー、6番・青木翼のキックを、GKの1番・服部一輝がストップ。結局、PK戦5-4で明治大が逃げ切り、準決勝に進出。総理大臣杯の決勝で敗れた、関西学院大との"雪辱戦"に挑むこととなった。
流通経済大学(関東地区第4代表/3年連続10回目)と関西学院大学(関西地区第1代表/3年連続19回目)という、昨年度大会の決勝と同カードとなった第2試合。
関西学院大にとって流通経済大は、昨年の決勝戦で敗れただけではなく、昨年の総理大臣杯決勝でも敗れている因縁の相手。「今年のチームは昨年の決勝で負けた、その悔しさからスタートしている」と成山一郎監督。
前半は、どちらも持ち味を出したサッカーを展開しながらもゴールにいたらず、スコアレスで折り返す。試合が動いたのは、後半も半ばを過ぎた70分。11番・ジャーメイン良が左サイドを突破してゴール前にマイナスのパスを送ると、28番・星野秀平がこれを押し込んで2試合連続ゴールをあげ、流経大が先制する。昨年の決勝でも同じように試合終盤に失点し「慌てて選手交代して負けた」(成山監督)という関学大だが、今年はその教訓を活かした。81分に、10番・森信太朗をピッチに送り出すと、2分後の83分にはその森選手が左サイドでボールをキープ。森のクロスに「相手がボールウォッチャーになっていた」という11番・呉屋大翔が体勢を崩しながらも右足をミートさせて、関学大が同点に追いつく。
試合は1-1のまま延長戦に突入。しかし、流れは追いついた関学大にあった。97分、6番・小野晃弘のフリーキックに、ゴール前の混戦の中で15番・米原祐がヘディングシュートを叩き込んで関学大が追加点をあげる。流経大も決定機を作るが、ゴールには結びつかず、2-1で関学大が逆転に成功。昨年の雪辱を果たし、夏・冬の全国大会2冠に向けて準決勝へと駒を進めた。
ベスト4には関東2チーム、関西2チームが名乗りをあげた。準決勝は、それぞれ関東・関西対決となる。12月16日(水)に行われる準決勝戦は、Shonan BMWスタジアム平塚で国士舘大学と阪南大学が、NACK5スタジアム大宮で、明治大学と関西学院大学が13時キックオフで同時開催される。
はたして今年度の大学サッカー最後の試合のピッチに立つのはどのチームとなるのか。冬の大学チャンピオンとなるために、まさにここが正念場だ。