3月20日(日)に行われる『DENSO CUP SOCCER 第13回大学日韓(韓日)定期戦』に向けて、3月18日に記者会見が実施されました。
記者会見には、一般財団法人全日本大学サッカー連盟の吉見章理事長、特別協賛社である株式会社デンソーの総務部社会貢献推進室長の吉田忠久氏、そして両チームを代表して全日本大学選抜の宮崎純一監督、主将の重広卓也選手、全韓國大学選抜の徐東元監督、主将の崔俊基選手も登壇。この大会にかける思いや意気込みを述べました。
以下、登壇者のコメントと、全日本大学選抜の主将である重広卓也選手のミニインタビューをご紹介いたします。
■一般財団法人 全日本大学サッカー連盟理事長 吉見 章
昨年の韓国・光州でのユニバーシアード競技大会終了後から、来年台湾で行われるユニバーシアード競技大会への強化として、このゲームが白熱したものになることを期待しております。将来的にこの中から、両国のA代表となる選手が多く出ることを楽しみにしています。
■株式会社デンソー 総務部 社会貢献推進室長 吉田 忠久 様
今回で13回目となります『DENSO CUP SOCCER 日韓大学定期戦』が、明後日等々力陸上競技場で開催されますことを、心からお喜び申し上げるとともに、日韓双方の大学サッカー関係の皆様の、これまでのご尽力に、深く敬意を表します。
こんにち世界中で活躍されております、日本・韓国の大学サッカー出身の選手のほとんどが、この日韓戦に出場し、数々の熱戦を繰り広げられてきました。そのことを思いますと、改めてデンソーがこの大会に長くかかわらせていただいたことを、非常に光栄に思っております。
この大会がサッカーの技術向上とともに、学生スポーツマンとしてのプライドの養成、学生サッカーのスケールアップ、そしてインターナショナルな感性の養成に大きく寄与することを心より願いまして、ご挨拶とさせていただきます。
■全韓國大学サッカー選抜 徐東元 監督
私たちの選抜チームは来年行われるユニバーシアード競技大会の準備におきまして、私たちの永遠のライバルである日本とのこの対戦に向けて、長くはないですが十分に準備をしてきたつもりです。明後日の試合では、私達の攻撃的ないいところ、守備的ないいところ、そして現代的に適応力を加味したところなどを、十分にお見せできるのではないかと思っています。当日を楽しみにしていてください。
そしてこの大会を準備してくださったデンソー様と両国の連盟関係者に心から感謝を申し上げるとともに、その意味をもっと深く感じるためにも、明後日はベストを尽くし、大学生らしいサッカーを見せたいと思います。
■全日本大学選抜 宮崎純一 監督
今朝6時の便でマレーシアより帰国いたしました。大変暑い中で、1週間にわたる合宿をさせていただきました。株式会社デンソー様をはじめ、この大会を支えていただいているスポンサー様のご尽力により、我々全日本大学選抜は非常に長い期間、チームとして活動することができました。大変感謝しております。
この合宿の前に『デンソーカップチャレンジサッカー 宮崎大会』という大会で、全日本大学選抜チームとして活動させていただきましたが、そのチームに約3分の1、その大会の優秀選手を加えて、新しい色を加えたチームできあがったと思っています。
マレーシア遠征中の練習試合の結果、得点者を見ていただければわかるように、新しく入った選手がこのチームの勝利のために、多くの努力を重ねました。チームの中で活躍する選手として、まとまりを見せはじめています。個人の能力が高い選手がそろっているチームだと思っていますが、さらに長い期間を一緒に活動したことによって、よりチームとしてまとまりが増し、チームとして総合力で韓國大学選抜チームに勝負を挑みたいと思っています。
■全韓國大学選抜 崔俊基 主将
まずは、今回自分たちをこの大会に参加させてくださった、株式会社デンソー様に心から感謝を申し上げます。そして今回の大会のため選手が招集されて準備してきた日本と韓国のチームが、後悔のないように、楽しく、強いサッカー、いい姿を見せられればいいと思っています。
■全日本大学選抜 重広卓也 主将
今年の大会は日本での開催ということで、絶対に負けられません。そのために、キックオフまでの時間を最高の準備にし、我々ひとりひとりがもっている最大限の力と、チームが一体感になるための力を合わせて、自由に楽しくサッカーをして必ず勝利を収めたいと思います。
■質疑応答
――重広選手に質問です。去年の定期戦に参加しての感想と、去年ユニバーシアード競技大会に参加した経験をどうチームに還元したいか。
重広 去年、アウェーの地ではありましたが日韓戦のメンバーに招集されて、試合に出ることはできませんでしたが、目の前で逆転負けを喫した先輩たちの姿を見ました。今年は日本で開催されることもありますし、去年の出られなかった悔しさと、逆転負けをした悔しさを、今年の定期戦にぶつけたいと思います。
前回のユニバーシアード代表と、現在の全日本大学選抜のメンバーはサッカーの色とかも違っていて、今回は今回でいいものがあると思うのですが、前回のメンバーにあった厳しさがまだ欠けているような気がします。前回の時は練習の時から世界を意識していて、激しい練習ができていました。練習からそういう意識がないと、ユニバーでは勝てないと思います。そういうところは、前回を経験しているので、自分から厳しくチームに発信していけたらと思います。
――それぞれの監督におうかがいします。学生にかぎらず、いろんな年代で日本と韓国のサッカーが近づいてきているような気がしますが、それでもお互いに相手のイヤなところだなと思うところを具体的にあげていただけないでしょうか。
宮崎監督 一般的にいわれる両国の特徴はあると思いすが、私が目にしている試合としては、直近だと昨年の11月に行われたベトナムの国際大会があります。それと8月のユニバーシアード競技大会の決勝で、韓国がイタリアと戦った印象でお話をさせてください。韓国の大学サッカーの構造的な特徴だと思いますが、ピラミッド式の選手層の構造が顕著に出ていると思います。大学のトップに出てくるのは本当のエリートの選手。だからそれぞれのポジションで出てくる選手は、日本に比べて本当にストロングポイントが高いという意識をもっています。たとえばヘディングの高さ、足の速さ。日本の個々の選手に比べたら、基本的な能力が圧倒的な高い。選りすぐられた選手が集まっていると感じています。
試合の運び方等を見ていると、立ち上がりから非常に激しくプレッシグをかけたり、圧倒的な高さ、速さ、強さでゴールに迫ってくる。非常に迫力のあるサッカーをしてくる。それに対して、きちんともちこたえられるチームは、終盤に向けて五分に戦えたり、あるいはそこから試合の流れを変えていくようなチームがあります。イタリアは、そういうチームだったのではないかと思います。そういう意味で、より長く継続的で安定した力を発揮できる試合運びをできるようになると、もっと脅威になるかと思います。(韓国は)勢いがある分、後半での戦い方が課題になるという印象を持っています。
徐東元監督 同じように私の主観になりますが、私は昨年の日韓定期戦を見た印象を述べさせていただきたいと思います。私はこれまで8年間、高麗大学で教えていましたが、高麗大学と早稲田大学は年に一度定期戦を行っているので、そういう意味でも間接的に日韓のチームを観る機会がありました。その中で私が感じた部分は、日本のチームは攻撃と守備の転換のスピードが非常に速いということです。今回も組織的に選抜されたチームを、宮崎監督がしっかりと準備されていると思いますが、これこそが現代サッカーの流れだと思います。
宮崎監督がおっしゃったように、韓国のチームにはパワーとスピードがあると思いますが、世界のサッカーに通用するためには、攻守の切り替えのスピードを早める、高めるということが大切だと思っています。もちろん、監督である私はそのように思っていますが、選手たちについてもきちんと認識をさせるようにしています。ですから明後日の試合については、どちらのチームが攻守両面のスピードが早いか、監督として期待しながら見ていきたいと思います。
【全日本選抜主将 重広卓也選手 ミニインタビュー】
――宮崎大会での課題をどのようにマレーシア遠征で改善しましたか?
宮崎では、コミュニケーション不足が一番の課題でした。マレーシア遠征では、そこが改善されてコミュニケーションも取れるようになり、それに伴ってコンビネーションも良くなりました。宮﨑の時と比べると、チーム全体が成長したと感じています。
――宮崎大会の後にメンバー変更もありましたが、チームの雰囲気はいかがですか?
短期間ではありますが、とても仲が良いです。各学年にそれぞれムードメーカーもいますし、個人個人の温度差も少なく、非常にいい関係性が築けていると思います。
――チーム内の注目選手は誰ですか?
前川黛也(GK 3年 関西大学)です。ゴールキーパーとして、一番後ろから声を出してくれるチームの大黒柱です。コーチングもセービングも良いですし、去年のユニバーシアード代表にも入っていましたから、チームの軸となり支えてくれます。注目選手です。
――日韓戦へ向けての、重広選手の意気込みをお願いします。
昨年度の日韓戦では逆転負けして、自分も試合にも出られませんでした。だから今大会では、他の選手との圧倒的な違いを見せて、得点に絡みたいです。
――最後にチームとしての目標をお願いします。
デンチャレでは一回戦で敗退しました。その恥を、僕たちは知っています。けれどあの経験でそれぞれが自分の現在の立ち位置であったり、全日本選抜としての責任や誇りを自覚したと思っています。その責任と誇りを持ってチーム一丸となり、自分の良さを出して自由に楽しくサッカーして勝ちたいと思います。
取材協力:KUSS