JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『平成29年度 第66回全日本大学サッカー選手権大会』記者会見レポート
2017/12/12
 本日12月12日、『平成29年度第66回全日本大学サッカー選手権大会』の開幕に先立ち記者会見が行われました。

 記者会見には、公益財団法人日本サッカー協会 会長・田嶋幸三、一般財団法人全日本大学サッカー連盟副会長・松本健一、一般財団法人全日本大学サッカー連盟技術委員長・中野雄二が登壇し、本大会の見どころなどを紹介しました。
 また出場24大学を代表し、昨年度本大会優勝校・筑波大学の戸嶋祥郎選手、関東第2代表・順天堂大学の坂圭祐選手、関西第2代表の重廣卓也選手が登壇し、大会に向けての抱負を語りました。


□公益財団法人日本サッカー協会
田嶋幸三 会長

 第66回を迎える全日本大学サッカー選手権大会。日本サッカーの歴史の中で、非常に大きなパートを占めてきた大会です。大学サッカーの出身者の多くが日本代表に入り、日本のサッカーを牽引してきました。改めて、大学サッカーを支えてきた大学連盟の皆さん、そして選手の諸君に感謝を申し上げたいと思います。

 今年のJリーグMVPは大学サッカー出身の小林悠選手です。大学時代から注目を集めてきた選手ではありませんが、川崎で頭角を現わし、日本代表となりました。昨年のMVPも、同じく大学サッカー出身の中村憲剛選手です。これは日本のサッカーにおいて、大学サッカーの意義が非常に大きなものであるという証しではないでしょうか。今夏には台湾でユニバーシアード競技大会が行われました。この大会で日本は非常に素晴らしい試合を展開し、何度か優勝を重ねておりますが、私は今回の優勝をいちばん高く評価しています。大学生の日本代表は朝、トレーニングに行き、その後、宿舎前の公園でゴミ拾いをしました。最初、その姿は台湾の方々の目には奇異に映っていた。けれどやがてその姿を見た台湾の方たちが新聞にそのことを投稿し、それを読んだ人たちが感動し、決勝のフランス戦では多くの台湾の方たちが日本を応援してくれたということです。
 こういう活動はなかなかできないことです。それをユニバーシアード代表という大学サッカーのトップのチームが見本を見せてくれたことは、大学生がやるスポーツの意義というものを、まさに具現化してくれたのではないかと思っています。

 そしてこの大学選手権は、4年生にとっては最後の大会になります。ノックアウト方式の大会ですので、優勝候補のチームが予想外に敗退することもあるでしょう。面白い試合が展開されると思っています。ぜひ選手諸君は、全力で最後まであきらめないプレーを見せることで、「大学サッカーここにあり」という心意気を見せてほしいと思っています。


□一般財団法人全日本大学サッカー連盟
中野雄二 技術委員長

 本大会は過去3年間の総理大臣杯と大学選手権の結果をもとに、ポイント制で各地域のシード権を決めております。今大会も、8つのシード校が軸となって進むだろうとは思いますが、近年、各大学の力が拮抗しております。シードのない地域の大学であっても、決して力がないわけではありません。
 ただ昨年と今年は、全国大会で関東のチームがベスト4を独占するという傾向があります。特に本年は、筑波大学さんと順天堂大学さんは非常にチーム力があります。皆様もご存じのように、天皇杯においても筑波大がJリーグのチームを倒して勝ち残りました。実力的には、筑波大がいちばんあるのではないかと思われます。
 シードどおりにいきますと、準々決勝では関東の大学対関西の大学というカードが予想されます。びわこ成蹊スポーツ大学さん、大阪体育大学さん、関西大学さんあたりが関東の大学を破り、準決勝や決勝へと残る可能性も十分考えられると思います。
 また近年は、常葉大学浜松キャンパスの澤登正朗監督や、東京国際大学の前田秀樹監督のように、元日本代表、あるいはプロを経験した指導者が、各大学の監督やコーチになっている例も多数あります。戦術的に整っている大学も多く、選手の実力的に見れば対戦相手のほうが強いと思われても、戦い方ひとつで結果は違ってくる。そうした面も、本大会のおもしろさのひとつとして考えていただければと思います。

□選手コメント

戸嶋祥郎(筑波大学・関東地区第1代表/MF・4年)

 筑波大学は前回大会で優勝し、王者として今大会に臨みます。チームとしても王者として戦おうと決めました。いろいろなチームが筑波大をくってかかろうという意気込みでくるかとは思いますが、それをはねのけて、今年も優勝できるようにがんばりたいと思います。強い筑波大になるために、二連覇という結果を示したいと思います。

坂圭祐(順天堂大学・関東地区第2代表/DF・4年)

 今年はチームとして三冠を目標にしてきましたが、総理大臣杯では初戦敗退、関東リーグ戦では2位という結果に終わってしまいまいた。ですので本年度最後の大会であるインカレは、チームとして強い気持ちで臨みたいと思っています。総理大臣杯の初戦で負けたように、いちばん難しいのは初戦だと思います。また去年は阪南大学相手に先に2点をとりながらも、3点をとられて逆転負けも経験しました。さまざまな経験を胸にこのインカレに臨み、最終的には優勝できればいいと思っています。

重廣卓也(阪南大学・関西地区第3代表/MF・4年)

 チームとしてはここ3年間、本大会でベスト4入りをしていて、2年前には決勝進出もしました。優勝まであと一歩、二歩というところまでは登り詰めているので、今年はチームの目標として掲げている日本一を目指して、チーム一丸となって戦えればと思います。

□質疑応答

――今大会で意識しているチーム、選手があれば教えてください。

重廣 意識しているのは筑波大学の戸嶋祥郎選手です。ユニバーシアード代表のチームメイトでもありますが、すごく存在感を発揮してくれました。追加招集で参加したのですが、サッカー面ではいちばん目立っていた選手でした。人間的としてもいいやつなので、サッカーでは勝ちたいと思っています。また順当にいけば、準々決勝で筑波大学と対戦することになると思います。筑波大学には昨年、0-3で惨敗しているので、そこの壁を超えたいと思います。筑波大学は天皇杯でJのチームに勝っているので、経験値のところで差がついているような気もしますが、自分たちのサッカーをして、去年の借りを返せればと思っています。

戸嶋 やはり総理大臣杯で敗れている法政大学さんは意識しています。自分の中では、かなり悔しい思いをした相手です。今年の戦績は2勝2敗でイーブンなので、この大会の決勝で対戦し、勝ち越せればと思っています。

坂 同じブロックにいて、対戦する可能性のある明治大学は意識しています。明大には去年、一昨年とまったく勝てず、逆に今年はリーグ戦や「アミノバイタル」カップで3戦全勝している中で迎える本大会です。今年も勝ってはいますが、どの試合も接戦でした。一昨年のインカレは明大にPK戦負けしているということもありますし、大きな壁だと思っています。個人では、友達でもある木戸晧貴(明大・主将)。高校選抜時代からの仲でもあるし、ポジション的にもセンターバックとFWでマッチアップします。次のステージでも、いずれマッチアップすることになると思うので、負けたくない相手です。