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『平成29年度 第66回全日本大学サッカー選手権大会』決勝戦マッチレポート
2017/12/27
〇3年ぶりの決勝進出となった流通経済大学 (関東地区第3代表)と、総理大臣杯との2冠を目指す法政大学(関東地区第5代表)との一戦。
インカレ決勝のカードは、2年連続で関東代表同士の戦いとなった。試合は開始直後から流経大がボールを積極的に回して法大ゴールに迫る展開に。15分には、左サイドからのスローインを30番・星野秀平が9番・立花歩夢へと繋ぎ、持ち前のテクニックでボールをキープした9番・立花が角度のないところから目の覚めるようなシュートを放ち、先制点を挙げる。その後は法大もサイドを起点に攻勢を強め、一進一退の攻防が続くが、スコアは動くことなく前半を終える。
後半に入ると1点を返そうと法大が反撃に出る。53分、法大は右サイドでコーナーキックを獲得。キッカーの13番・末木裕也が中央へボールを蹴り入れるとこれは、流経大の28番・アピアタウィア久がクリア。しかしセカンドボールを拾った法大11番・青柳燎太が左サイドに浮き球を上げると、前線に上っていたセンターバックの5番・加藤威吹樹が中央に飛び込んで頭で合わせる。シュートはポストに当たり、ゴールラインギリギリのところで、流経大のGK21番・新井栄聡が瞬時にボールを弾くも、ゴールインの判定。法大が追いつきスコアを1-1とした。ここから波に乗り、追い越したい法大だったが交代で入った、切り札として50分に投入した20番・上田綺世が、わずか10分後の60分に負傷交代となってしまう。逆に流経大は、56分、65分と立て続けに攻撃の選手を投入して状況の好転をはかった。その狙いどおり、67分には、交代出場の11番・渡邉新太が自陣内で奪ったボールをドリブルで中央へ持ち込み、直前に投入された7番・新垣貴之へとスルーパス。7番・新垣がペナルティーエリア外から放ったシュートはゴール右隅に突き刺さり、再び流経大が2-1とリードを奪う。すると70分、法大は24番・大西遼太郎が流経大の11番・渡邉を倒してこの日2枚目の警告を受けて退場に。不利な状況の中でも反撃を試みる法大だったが、80分には流経大の32番・宮津祥太がドリブルでペナルティーエリアに進入したところを、5番・加藤が倒してペナルティーキックを献上してしまう。このチャンスに流経大はキッカーの11番・渡邉がゴール左隅に突き刺し3-1とリードを広げる。優位に立った流経大だが攻撃の手を緩めること無く90分+1分、中央で13番・小野原和哉が左サイドに出した浮き球を7番・新垣が上手くトラップするとドリブルで駆け上がり、左足を振り抜いてゴールを決め、ダメ押しの4点目。その3分後の90+4分には、ゴール前の空いたスペースに7番・新垣が浮き球を16番・吉田大河を送ると、中央にいた6番・石田和希がパスを受けてミドルシュートを放つ。法大のGK、1番・関口亮助が弾き出したものの、詰めていた32番・宮津がバウンドしたボールを上手く右足で決めて試合を決定づける。最終的には5-1と、大差をつけて流経大が勝利し、3年ぶり2度目のインカレ優勝を果たした。
試合後には表彰式が行われ、最優秀選手は全試合フル出場を果たした守田英正(流経大・川崎フロンターレ内定)受賞。ベストGKには新井栄聡(流経大・清水エスパルス内定)、ベストDFには法大から唯一の選出となった武藤友樹(法大・松本山雅FC内定)、ベストMFには3年生の新垣貴之(流経大)、ベストFWには立花歩夢(流経大・横浜FC内定)が選ばれた。また優勝した流経大はフェアプレー賞も受賞。約10日間にわたる"インカレ"が幕を閉じ、流経大が3年ぶりに"大学日本一"の座に輝くとともに、今年の大学サッカーはすべて終了した。
■中野雄二監督(流通経済大学)
スコアに差はついていますが、ノックアウト方式の大会ではお互いに攻撃を仕掛けなければならないのでこういう結果になっただけだと思っています。法政大学さんはひとり少なくなってからも積極的に攻撃を仕掛けていたので、ウチがうまくその裏のスペースを使えただけです。9番の立花と30番の星野は最初から前半で下げようと思っていたのですが、攻撃のギアを上げようという意図で投入した11番の渡邉新太が、泥くさいプレーでチームに貢献してくれたことがギアをあげることにつながった。途中までは、リードしているにもかかわらず法大さんのリズムでした、けれど11番の渡邉と7番の新垣が入ってからはリズムが変わった。それが試合のポイントになったのかもしれません。
■長山一也監督(法政大学)
前半はよかったと思うし手応えもありましたが、数字がすべての答えです。完敗でした。自分に甘さがあったことを痛感したました。法大のサッカーを広めようと思っていたのに、こういうゲームになってしまって申し訳ない気持ちです。ゲームの入りはラインをしいて引きすぎてしまうところはあったのですが、ボールを握る部分や、相手が食いついた、その背後のスペースを使うというところは、前半までは効果的にできていました。ただ(ゴールを)仕留めるところまではいかなかった。セットプレーでもチャンスはあったので、スペースを使いながら(攻めろ)というのは伝えていたのですが……。先ほど中野監督がおっしゃったように交代の選手、特に11番の渡邉選手が自分としてもイヤな選手で。ボランチのところで引っ掛けて決められたような状況になりましたが、彼の動きやセカンドボールの反応にしっかりと対応できていれば、もっと面白い試合になったとは思います。
■石田和希(流通経済大学・4年・MF・主将)
この大会は3年前、自分たちが1年生のときにも優勝をしていて、そのときに流通経済大学の強さというものを実感しました。ここ数年勝てていないことから、ここで勝たなければそうした強さのDNAが受け継がれない、との危機感もありました。自分というより今後の流通経済大学のために戦った、という意識が強いです。今年は総理大臣杯もリーグ戦も3位と、大事なところで勝ち切れなかったのですが、インカレでは勝負どころで勝てていた。そのことが優勝につながったのではないかと思います
■関口亮助(法政大学・4年・GK・主将)
自分はインカレの決勝に出るのはこれが最初で最後。大学サッカーの引退試合でもあったので、率直にいって悔しいという思いがあります。後輩たちはこの悔しさ、経験を胸に来年は日本一を目指してほしいと思います。
■守田英正(流通経済大学・4年・MF・最優秀選手)
優勝という結果が出たのでよかったとは思いますが、個人としては満足のいかない試合でした。ふだんならしないようなミスをしてチームに迷惑をかけてしまいました。今日の試合だけ見ればもっといい働きをした選手はいると思うし、自分の受賞は大会トータルで見ていただいた賞だと思っています。去年の今頃はサイドバックをやっていて、守備ができないと怒られていてばかりで、今のような状況はまったくイメージできませんでした。この1年間は本当に充実していたし、チャンスを確実に活かせたことが今の自分につながったと思います。
■渡邉新太(流通経済大学・4年・MF)
後半少し押し込まれていて同点にされてしまいましたが、自分的にはそんなに焦りはありませんでした。中野監督からも「(交代で)入ったら点を決めること」という指示を出されていたので「自分が決めればいいかな」という感じでした。自分とガッキー(7番・新垣)が入って流れが変わった感じはしました。客観的に自分たちみたいなタイプが途中から出てきたら嫌だと思ったので、思い切りやりました。球際やハードワーク、そして点を取るということは1年の時からこだわってきたこと。今日の試合ではそれが出せてよかったと思います。
■アピアタウィア久(流通経済大学・1年・DF)
インカレの決勝戦という大舞台に出させてもらって、本当にいい経験になりました。サイドバックは準々決勝の東京国際大学戦が初めてでしたが、怖がっていても仕方がないと思い、今日は思い切りやりました。
■武藤友樹(法政大学・DF・4年)
まず決勝戦において先制されたというのは大きかったと思います。先手を取られたのだから、もっと自分たちから仕掛けたり、前半から強気な姿勢を出せればよかった。総理大臣杯の決勝のときもそうだったのですが、このような大事な試合のときには、もっと自分のプレーやチーム全員が自分たちのサッカーをすることが大事。それができなかったのは反省すべきところだと思います。大学では1対1で負けないということをいちばん学びました。抜けるか抜けないか、ではなく"勝負すること"の大切さを、大学の4年間で学んだと思います。
■加藤威吹樹(法政大学・DF・2年)
結果的には大敗してしまい、法大の名を汚してしまったとは思うのですが、それ以上に日本一を獲って4年生を送り出せなかったということで、情けない思いでいっぱいです。前期の流経大戦でもゴールをしていますし、得点には自信がありました。個人的にも得点王を狙っていたし、今日も点を取ることを意識していました。けれど守備の部分では、自分が(PKを献上して)試合を壊してしまったという意識も強くあるので……。流経大は前に強い選手がいるし、攻撃的なチームなのでセンターバック2枚で守りきれないというはわかってしました。守備陣がうまく連携をとりながらチーム全体で守備をしようと言っていて、その中で自分のボールへのアタックやカバーリングという部分はいい駆け引きができていたと思います。ただやるべきことはたくさんあると思ったし、勝つことや優勝することの難しさを知ることのできた試合だったので、来年こそは日本一を穫れるようにがんばりたいと思います。
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