12月9日、『2019年度 第68回全日本大学サッカー選手権大会』の開幕に先立ち、記者会見が行われました。
記者会見には公益財団法人日本サッカー協会会長の田嶋幸三、一般財団法人全日本大学サッカー連盟技術委員長の中野雄二が登壇し、本大会の見どころなどを紹介しました。
また出場24大学を代表して、総理大臣杯優勝校であり関東第1代表の明治大学・佐藤亮、関東第2代表・桐蔭横浜大学のイサカゼイン、関東第3代表・立正大学の人見拓哉、関東第4代表で前年度優勝校である法政大学の加藤威吹樹、関東第5代表・中央大学の加藤陸次樹、関東第6代表・筑波大学の山川哲史の各選手が登壇し、大会に向けての抱負を語りました。
7月にイタリアで行われた『第30回ユニバーシアード競技大会』で大学生の代表チームが優勝し、五輪代表候補選手には多くの大学生選手、大学出身者が名を連ねています。これはひとえに、大学連盟、各大学のサポートの賜物だと、感じています。
私自身も関東大学リーグ、そして総理大臣杯の決勝戦を見ましたが、非常にレベルが上がっていると感じました。その証ともいえるのが、『天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会』での大学勢の活躍です。大学のチームが、Jリーグのクラブを苦しめ、破るといった活躍を見せたことは、大学サッカーのレベルが上がったことをあらわす結果のひとつではないでしょうか。
五輪代表、そして日本代表につながる選手たちが活躍するこの大会に、ぜひ注目してほしいと思います。
ここ数年、インカレや総理大臣杯といった全国大会の決勝戦では関東勢の対決が続いています。今大会では、昨年の準優勝校である駒澤大学が出られない。それくらい、関東の実力は伯仲しています。そんな中、今シーズンは明治大学が総理大臣杯予選を兼ねる「アミノバイタル」カップ、総理大臣杯、そして関東大学リーグ戦のタイトルを獲り、残るタイトルは本大会のみ。明大がインカレに優勝して、2019年度の主要タイトルをすべて獲得するのか。そこが本大会の注目ポイントのひとつだと思います。
関西勢では、リーグ戦に優勝した大阪体育大学に良い選手が揃っているのですが、中心選手である田中駿汰選手が日本代表に選ばれ、『EAFF E-1サッカー選手権2019』に参加しているため、戦力的にやや落ちるのではないか、という懸念があります。その他の地域では、九州チャンピオンの福岡大が関東・関西勢を倒すという意気込みをもって本大会に臨むと思われますので、非常に楽しみなところです。
関東が優勢ではありますが、全国的にどの選手もレベルが高く、どこが勝ってもおかしくはない。思わぬ波乱も期待できるのではないかと思います。
明治大学は今年インカレ以外、すべての大学サッカーの大会のタイトルを獲っていますが、インカレではさらに厳しい大会が予想されます。ただ、どの大学がきたとしても自分たちの敵は自分であると常に言い聞かせ、一戦一戦戦うことが大事だと思います。優勝という目的を見据えずに、まずは目の前の試合に全力でぶつかり、どんな試合になったとしても勝ちきりたい。自分たちは、そのための準備をしてきたので、それを結果として証明できればいいと思います。
桐蔭横浜大学は、本大会初出場になります。守備を大事にすることがチームのスタイルですので、リーグ戦同様インカレでもその部分を大切にしていきたいと思います。出場大学はどこも強いと思うのですが、一戦必勝で戦い、その先に優勝があればと思っています。
今年目標としていたインカレ初出場を果たすことができましたので、本大会に臨むにあたり新たにインカレ優勝という目標を立てました。その目標に向け、チームのひとりひとりが自分の立ち位置に責任をもちながら、一戦一戦戦っていきたいと思います。立正大学は、今年まだひとつもタイトルを獲れていないので、後輩たちにつなげられるように、優勝という結果をチームに残していきたいと思います。
法政大学の目標は、昨年の優勝に続く連覇です。今シーズンは天皇杯でJリーグクラブに勝利したことで注目を浴び、多くの方に法政大学のサッカーを見てもらう機会がありました。さらに多くの方に法政大学を見てもらえるよう、チームとして心がけていきたいと思います。個人としては大学4年間の集大成ですが、後輩たちにまだ何も残せていないことが心残りです。今シーズン最後の大会を優勝という結果で終われるよう、全力で取り組んでいきたいと思います。
中央大学はインカレ出場が7年ぶりということで、現在所属している選手は誰ひとり経験したことのない大会に出場することになります。常に1試合1試合、チャレンジャー精神で挑みたいと思います。個人的には、双子の兄弟である法政大学の加藤威吹樹選手と、準決勝戦で対戦したいです。会場はふたりの地元でもある、埼玉県のNACK5スタジアム大宮ということで、非常に楽しみです。"双子対決"の実現のためにもがんばりたいと思います。
筑波大学は毎試合大量得点で勝てるようなチームではないので、失点を抑えつつ、延長戦、PK戦までを視野に入れてしたたかに勝ちたいと思います、そういう戦いができれば優勝も見えてくると思います。今シーズン、筑波大学蹴球部は、"人の心を動かす存在"というビジョンを掲げてやってきました。これまで筑波大学を応援してくださった方、また大学サッカーを見にこられた方々の心を動かせるような姿勢と結果を見せられるようがんばりたいと思います。
山川 筑波大の特徴は選手それぞれに個性があること。交代で出場した選手も自分の色を出して流れを変えることだと思っています。
加藤威 組織的な守備と多様な攻撃、得点力だと思っています。
イサカ 桐蔭大はこれまでインカレ出場したことがないので、恐れ知らずのプレーができます。新人戦でも2連覇しているように、1、2年のころから結果を出している世代でもあるので、いい選手が揃っているのが武器だと思います。
佐藤 ピッチ内においては誰が出ても同じサッカーができるということです。それをリーグ戦のような長期の大会だけではなく、トーナメントのような短期の大会でもできるのは強みだと思います。ピッチ外では特に規律を重んじている大学だと思いますが、今年は特にそういう部分がチームの勝利につながっているかな、と思います。
人見 リーグ戦でも1年間とおして堅守速攻に重きを置いてきました。ただ守っているだけではどうしても苦しい時間帯が続いてしまう。そこで最近は攻撃の部分にもフォーカスしていますので、その部分にも注目してほしいです。
加藤陸 中大のモットーは「気持ち八割」です。また後ろからのビルドアップ、そして攻撃の選手のクオリティーの高さは、ほかのチームにない特徴だと思っています。
山川 大阪体育大学の林大地選手と対戦したいです。ユニバーシアード代表で活動をともにしていたとき、林選手が得意としている抜けだしの部分や体の使い方を教えてもらいました。そのときは同じチームだったのですが、対戦相手となったときに、そのとき吸収したものがどう活きるのか。個人的なところで楽しみにしています。
加藤威 もちろん双子の兄弟である中大の加藤陸次樹です。(双子対決は)ずっと目標にしてきた対戦でした。リーグ戦ではしっかりとした対戦にはならなかったので、インカレではふたりのプレーと対戦を見ていただければと思います。
イサカ 東海学園大学の神谷凱士選手です。来季から一緒のチーム(ともに川崎フロンターレ内定)でプレーすることになるので、その前に一度対戦してみたいです。
佐藤 誰というのはないのですが、対戦したいチームは筑波大学です。今シーズンは1勝1敗で勝ち越せていないので、最後は明大が勝ち越したといわれたいと思います。
人見 明大さんとやりたいです。今季はリーグ戦も「アミノバイタル」カップも、全部の試合で圧倒されました。本当に強いという印象をもっているのですが、そういうチームにこそ勝たなければいけないと思います。個人的にも悔しい思いしかないので、最後は明大に勝って終わりたいです。
加藤陸 ここで(双子の)加藤威吹樹といってはつまらないので(笑)、明大と試合をしたいです。大学サッカーでこんなに圧倒された経験はなく、本当に悔しい思いをしました。最後に明大を倒して、中大はすごいな、というふうになりたいと思います。