JUFA 全日本大学サッカー連盟

デンソーカップ
『DENSO CUP SOCCER 第22回大学日韓(韓日)定期戦』マッチレポート
2023/09/26


 本年度2回目となる『DENSO CUP SOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』が、韓国・安養総合運動競技場で9月24日に開催された。本来は日韓交互、隔年ホームで開催される本大会だが、新型コロナウイルス感染症の影響で中止された第17回・第18回大会を鑑み、昨年度、そして今年度は年に2回、日韓の両国で開催の運びとなった。


全日本大学選抜 2(0-0)1 全韓國大学選抜



 全日本大学選抜は、この試合のために新たにメンバーを招集してチームを編成。試合の約1週間前に韓国入りをして事前合宿を行った。「指導やチーム方向性を決めるというより、選手の特性や特徴を見極めることがメイン」(全日本・東海林毅監督)という1週間を経て、この試合に臨んだ。東海林監督がもうひとつ掲げたこの試合のテーマは"アウェーでの戦い方"。過去、一度も韓国開催の試合で勝てていないことから、「ジャッジについては想定外の状況もあるとして戦うこと。最悪、1人欠けても2人欠けても勝つ」ことを目標にした。



 そのため「アウェーという雰囲気に呑まれないよう心がけた」(関西学院大/14番・長尾優斗)という日本は、立ち上がりから韓国を圧倒。長尾と8番・美藤倫の"関西学院大ダブルボランチ"が試合をコントロールし、左サイドの17番・中村草太(明治大)とFWの7番・中川敦瑛(法政大)らが何度となくペナルティーエリア内でチャンスを作る。だが、どうしてもシュートを枠内に収めることができず、左サイドバックの16番・濃野公人(関西学院大)のミドルシュートも韓国GKがストップ。一方で、ディフェンスラインは主将の5番・山田裕翔(国士舘大)と3番・岡哲平(明治大)のセンターバックコンビを中心に、韓国の攻撃をシャットアウト。何度かカウンターを仕掛けられるものの、危なげない守りで韓国の攻撃を許さない。しかし、日本も決定機を決められず両チーム無得点のまま試合を折り返した。



 後半に入ると、日本は右サイドの20番・古長谷千博(常葉大)に替えて10番・山内日向汰(桐蔭横浜大)を投入。「ベンチから見て、韓国のディフェンスラインが低いのはわかっていた。その間に自分が入ってチャンスを作れたら」というイメージをもってピッチに入った山内は、後半開始早々の49分に結果を出す。中盤で濃野とのパス交換で相手DFを翻弄すると、そのままドリブルで中央を抜けペナルティーエリアのすぐ外からミドルシュート。山内の放ったシュートは、相手GKの頭上を越えてゴールへと突き刺さる。




 先制した日本はその後も攻勢を強めるが、韓国も次第に反撃を開始。55分すぎには、11番・PARK JU YEONGが左サイドからドリブルで突破。ペナルティーエリア内に侵入する前に濃野がこれを止めるが、韓国にコーナーキックを与えてしまう。ゴール前に入ったボールは一度クリアするものの、こぼれ球を韓国の23番・AHN JAE JUNが押し込んで1-1に。先制もつかの間、57分に試合は振り出しに戻った。このゴールで韓国は息を吹き返し、その後は韓国ペースに。日本はなかなかセカンドボールを拾えず、効果的な攻撃を展開することができない。75分、日本は小湊絆に替えて古山謙悟を投入。また中川に替えて岡田大和をピッチに送り出すと、3バックにして勝ち越し点を狙う。しかし流れを引き寄せるまでには至らず、両チーム追加点のないまま最終盤に突入。だが、このまま1-1で延長戦かと思われた89分にスコアが動いた。濃野が右サイドで相手からボールを奪うと、すかさず中村にパス。中村は右サイドをドリブル突破でペナルティーエリア内に侵入すると、相手DFのタックルをかわしてゴール前へグラウンダーのパスを入れる。ゴール前に入っていた古山には合わなかったものの、その後ろに上がってきていた長尾がこれを受け、DF、そして前に出てきたGKを巧みにかわしてシュートを押し込む。





 再び2-1とリードを奪った日本。だが、その後は"絶対にホームで負けられない"韓国が意地を見せる。韓国の波状攻撃を、GK上林豪(明治大)を中心に跳ね返す日本の前に示されたアディショナルタイムは5分。だが、5分を過ぎてもタイムアップの笛はなく、度重なる韓国のコーナーキックからゴールを死守する日本。8分を過ぎたころにようやく長い笛が鳴り試合は終了。この瞬間、日本は2005年以来、10試合目の挑戦で悲願のアウェー初勝利を飾った。この結果、『DENSO CUP SOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』の通算成績は日本の10勝2分8敗となった。