JUFA 全日本大学サッカー連盟

インカレ
『平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会』準決勝戦マッチレポート
2018/12/21


 「平成30年度 第67回全日本大学サッカー選手権大会」準々決勝は、12月19日(水)に2試合が行われた。



順天堂大学 1-2 法政大学 @味の素フィールド西が丘



 準々決勝で関東王者・早稲田大学を破った勢いで決勝進出を狙う順天堂大学(関東地区第6代表・5年連続23回目)と、苦しみながらも準決勝まで勝ち上がり、2年連続の決勝進出を目指す法政大学(関東地区第3代表・3年連続30回目)の一戦。

 関東勢同士の対戦となった準決勝の順大対法大戦。順大の11番・旗手怜央と法大の20番・上田綺世のU-21日本代表対決に注目が集まったが、法大の20番・上田は肩の負傷もありベンチでスタートを迎えるとなった。決勝進出をかけた大一番は、キックオフ直後から一進一退の拮抗した展開となった。互いにチャンスを作りながらも決め手に欠き、前半は両チーム無得点で終了。
 後半に入っても変わらない試合状況に、法大はついに63分、20番・上田を投入。すると、満を持して登場した法大のエースが、いきなり本領を発揮する。67分、ボールを受けた20番・上田がペナルティーエリア内に切り込むと、このプレーが順大DFのファウルを誘い、法大がペナルティーキックを獲得。これを自ら冷静に決め、法大が先制する。しかし、このままでは終われない順大もすぐさま反撃。77分、左サイド深くから6番・石上輝が上げた浮き球のクロスに、20番・上野瑶介がDFの背後から飛び出してヘディングシュートを突き刺す。順大が同点に追いつき、試合は振り出しに戻った。その後はオープンな展開となり、互いにチャンスを作るも決定打に欠き、試合は延長戦に突入した。
 延長戦でも熱戦を繰り広げる両チームだったが、延長前半の99分、ついに勝ち越し点が決まる。敵陣右サイドでボールを奪った法大の8番・紺野和也が目の覚めるようなスピードのドリブルで前線に持ち込み、ペナルティーエリア外からシュートを放つ。ゴール左隅を狙った技ありのシュートは、これまでファインセーブを連発していた順大のGK 1番・佐藤久弥の手も届かず、ゴールへと吸い込まれる。1-2と再びビハインドを負った順大は、長身のFW 9番・浮田健誠を投入し攻勢を強めるも、法大の守備陣が決死の守備で順大の反撃をシャットアウト。法大が1点差を守りきってタイムアップ。延長戦にまでもつれる死闘を制した法大が、2年連続でファイナルへの切符を手にした。





駒澤大学 2-1 大阪体育大学 @NACK5 スタジアム 大宮




 優勝候補の筑波大学を下して勢いに乗る駒澤大学(関東地区第4代表・8年ぶり15回目)と、これまで2試合で接戦を勝ち抜き自信をもって準決勝に臨む関西覇者・大阪体育大学(関西地区第1代表・6年連続21回目)の一戦。

 試合は開始早々に動いた。立ち上がりから主導権を握った駒大は、早い時間帯にコーナーキックを獲得。その流れから右サイドに開いてボールを受けた10番・中原輝がゴール前にクロスを上げると、これを7番・安藤翼が体ごと押し込むヘディングシュートで合わせて駒大が先制する。その勢いで序盤は駒大が押し込む展開となったが、大体大も落ち着いてこれに対応。9番・林大地のゴール前での力強いプレーを中心に、大体大が相手陣地に攻め込む時間が増えはじめる。すると27分、駒大は準々決勝で2得点を挙げた14番・坂本和雅が足首を負傷し、その後に退場。治療のために試合が一時中断されると、再開後の隙を大体大が巧みについた。29分、深い位置からのフリーキックを、8番・堀内颯人がつなぎ、28番・アフラギギマハディが落とすと、24番・林尚輝が素晴らしいボレーシュートでゴールネットを揺らし、大体大が同点に追いつく。
 後半に入ると試合の流れは大体大に。主導権を握った大体大が怒涛の攻撃を仕掛け、9番・林や4番・菊池流帆などが7本ものシュートを放った。しかし、駒大も3番・星キョーワァン、4番・伊勢渉を中心としたディフェンスラインが粘り強くゴール前を守り、ゴールを許さない。すると58分、駒大は先制点を決めた7番・安藤翼が縦パスに反応し、ドリブルで一気にペナルティーエリアに侵入。これを止めようとした大体大の5番・田中駿汰が7番・安藤を倒し、駒大がペナルティーキックを獲得する。このチャンスに、駒大主将、6番・大塲淳矢は「いつも蹴っている自信のある方向に蹴ろうと思った」と冷静にキックを流し込み駒大が追加点。2得点に絡んだ7番・安藤はその直後に交代。「交代の準備をしているのは見えていた。下がる前に、何かを残そうと思った」(7番・安藤)という"去り際の意地"が駒大に勝ち越し点をもたらした。再びリードを奪われた大体大は、7番・浅野雄也に代えて、10番・末吉塁を投入。怒涛の攻めを見せるが、どうしてもゴールを割ることができない。残り10分を切ると、大体大はセンターバックの4番・菊池を前線に上げてパワープレーで同点弾を狙うが、駒大も決死の守りでこれを死守し、ついにタイムアップ。決定的なシーンを作られながらも全員で守りきった駒大が、12年ぶりの決勝進出を決めた。







 ついに今年の大学サッカーも最後の一戦を残すのみとなった。残る1試合、インカレの決勝戦は、12月22日(土)に浦和駒場スタジアムで開催される。決勝に残ったのは法政大学と駒澤大学。インカレ決勝は3年連続の関東対決となった。

 今年はリーグ戦、そして総理大臣杯予選の「アミノバイタル?」カップでも対戦している両チーム。対戦成績は法大が2勝1分と有利だが、駒大は準決勝で関西王者の大体大に勝利した勢いがある。短期決戦となる本大会では、この勢いも大きな武器となる。
決勝戦では法大が昨年、同じ舞台で敗れた悔しさを晴らすのか。それとも駒大が勢いそのままに優勝を掴むのか。「泣いても笑っても、これが自分にとって最初で最後のインカレ決勝」(駒大・10番・中原輝)という平成最後のインカレで優勝の栄冠に輝くのは――!?